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住宅ローン入門  公的融資の種類と活用法

公的融資には公庫のほかに年金や財形もあります。このところ民間ローンの人気に押され気味の公的融資ですが、メリットも少なくありません。それぞれの特徴と活用のポイントをまとめてみました。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

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●長期固定金利が魅力の公庫融資

 公的融資には住宅金融公庫の融資(公庫融資)、年金住宅融資(年金融資)、財形住宅融資(財形融資)の3種類があります。このほか各自治体が扱う自治体融資も公的融資の一種ですが、自治体ごとに制度が異なるのでここでは省略します。

 公的融資のなかでも最もポピュラーな存在といえば公庫融資です。70歳未満で毎月返済額の5倍以上の月収のある人ならだれでも申し込めます。一方、対象となる住宅には土地や建物の広さのほか、公庫が定める建築基準を満たすなど細かい条件が付きます。ただ、基準のハードルはそれほど高くないので、 広さの条件さえ満たせば融資を受けることは難しくはありません。

 融資額は住宅の広さや所在地などで細かく決められているほか、バリアフリーや省エネなど一定の工事を伴う場合は割増融資も利用できます。ほかに収入による制限もあり、年収が800万円以下なら価格(または建築費)の8割まで借りられますが、800万円を超える人は5割までしか借りられません(給与収入のみの場合)。

 公庫融資の魅力はなんといっても長期固定の低金利で借りられるところです。9月2日から少しアップする予定ですが、それでも最も低い基準金利は当初10年間が2.30%。8月の都市銀行の10年固定型が3.20%~3.40%で、キャンペーンを使ってもせいぜい2.40%程度ですから、公庫金利の低さが目立ちます。


●年金加入者が利用できる年金融資

 公庫に次いで対象範囲が広いのは年金融資です。利用できるのは「公的年金に加入して3年以上」ということなので、20歳で国民年金への加入が義務付けられている現状では、23歳になればだれでも対象になるというわけ。ただし、国民年金加入者は厚生年金保険加入者に比べて融資額が少なくなっています。

 年金融資の金利はずっと同じ金利が適用されるタイプと、公庫と同様11年目からアップするタイプがあり、どちらかを選べます。また、融資は金利の低い一般融資とやや高い特別融資があり、それぞれ住宅の床面積に応じて金利が決まる仕組みです。公庫融資は1つの住宅で一人しか申し込めませんが、年金融資は夫婦それぞれが申し込むこともできます。なお、年金融資は申し込み先によって勤務先や各地の年金住宅協会などを窓口とする「転貸融資」と、公庫に申し込む「公庫併せ貸し」の2つのタイプがあります。

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