住宅ローンの借入

どう読む?住宅ローンの金利の行方(2ページ目)

当面金利は上昇しないだろう、と考えている人が多い昨今。今後の住宅ローン金利の予想はどのような点に着目していけば良いでしょうか?これから借入する人のみならず、変動金利型で借入れをしている人は、借入期間中はずっとウォッチしていくことも大切です。

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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よくない金利上昇とは?

日本の国債の金利はどのくらいかご存知ですか?現在(2011年9月)は、1%前後で動いています。低い金利水準と言えるでしょう。一方で、例えばブラジル国債は10%近い金利になっています。これは、国自体の安全度や信用度が深く影響しているためです。当然ながら信用度が高いと金利は低く、信用度が低ければ金利は高くなります。

今年、ムーディーズ・インベスターズ・サービスによって日本の国債は格下げされました。しかし懸念された国債の売却による金利の上昇は見られず、今でも低金利の様相ですが、国の信用度が下がっていくと金利が上昇するかもしれないという要因ははらんでいます。

日本は毎年赤字財政が続き、日本政府の借金は増える一方です。このような状況でも国債の金利上昇が見られないのは、景気が好転する見通しが見えないことや金融機関が国債を購入し下支えしているためと考えられています。また、新規でも多くの国債を発行しているわけですから、金利が上昇してしまうと、その利払い(これも税金)に苦慮することは間違いなく、これも金利上昇が抑えられる要因になると考えられます。

ただし、これだけの国債を発行していること自体、国の信用度が落ち、国債が暴落しても不思議ではない状況でありながら、低金利を維持しているアンバランスさは、危うさを感じます。

景気が好転しなくても金利が上昇する可能性はある、ということも理解した上で、金利の影響を受ける住宅ローンの支払いについても考えておきましょう。住宅ローンは、20年、30年と支払いが続くもので、ここ数年の金利を予想するだけでは将来思いがけない痛手を被ることも考えられます。

長期にわたる金利を予想することは、かなり困難ですので、もともとの借入額を妥当な額としておくことが、金利の上昇をもカバーできるリスク対策であり、どの金利タイプを選ぶかよりも重要です。

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