金利タイプを迷って、とりあえず金利ミックスにしてしまった人もいるのでは? |
ところが、安易に組み合わせると、思ったほどのリスク軽減につながらないこともあります。金利ミックス型を利用する場合でも、将来の金利上昇によって、どのくらい返済額がアップするかを把握した上で利用しましょう。
金利をミックスする効果を見てみよう
借入額3,000万円、30年返済の場合を例に、4通りの方法を比較してみましょう。実際には変動金利型の方がずっと金利が低かったというケースもあるかもしれませんが、ここでは、金利上昇した場合のリスクを見るために、全期間固定よりも変動金利型の適用金利が将来高くなるケースについて検証してみます。【パターン】
A.全額を全期間固定で借入れ
B.全期間固定2,000万円・変動金利型1,000万円の組み合わせ
C.全期間固定1,000万円・変動金利型2,000万円の組み合わせ
D.全額を変動金利型で借入れ
【条件】
全期間固定 3.0%
変動金利型 1.075%
変動金利型の金利は、次のように仮定
・ケース1 4年間変わらず、その後2年ごとに1%上昇、11年目以降は4.075%
・ケース2 2年間変わらず、3年目に1%上昇、その後2年ごとに1%上昇、7年目以降は4.075%
●ケース1の場合の毎月返済額の推移
<当初5年間> <6~10年> <11~15年> <16年以降>
A 126,481円 126,481円 126,481円 126,481円
B 116,831円 121,245円 130,476円 132,080円
C 107,179円 116,008円 134,470円 137,680円
D 97,529円 110,771円 138,463円 143,282円
●ケース2の場合の毎月返済額の推移
<当初5年間> <6~10年> <11~15年> <16年以降>
A 126,481円 126,481円 126,481円 126,481円
B 116,831円 124,958円 133,876円 133,876円
C 107,179円 123,433円 141,272円 141,272円
D 97,529円 121,911円 148,668円 148,668円
ここでは試算していませんが、将来にわたって変動金利型の適用金利が3%を上回ることがなければ、当然ながら変動金利型を組み入れた方が得になります。しかし、緩やかに上がっていくケース2の場合でも、11年目以降は変動金利型を組み入れした方が毎月返済額が多くなっています。
どのくらいの割合で組むかも迷うところです。変動金利型の割合が少ないBと、割合が多いCでもリスクの差があります。Cの場合は、固定金利と組み合わせているにも関わらず、返済額の上がり方が大きいという印象があります。
では、金利タイプをミックスするのは、どのような人に向いているのでしょう? 次のページで解説します。