11月23日の日本経済新聞によると、「住宅金融公庫は5年以内に廃止」し、「住宅ローン債権の証券化を担う新法人を別に設立」という方向で、政府与党が合意したようです。
今回は、この「住宅金融公庫の廃止」について私なりの考えをお話ししたいと思います。

●そもそも住宅金融公庫とは

今から50年以上前、昭和25年6月に設立された特殊法人(特殊法人については、よくわかる政治のクローズアップ“「特殊法人問題をやさしく説明!」”をご覧ください)。
「よりよい住まいの実現」、「お客様の満足の追求」、「自己の成長と夢の実現」という民間企業のような経営理念をもって、マイホーム建設・購入資金等の個人向け融資及び賃貸住宅建設資金等の事業者向け融資などの業務を行っています。

2000年度の決算発表によると、貸付金残高が約76兆円と政府系金融機関の中でも圧倒的に多くなっており、これが民業圧迫といわれる所以になっています。
また、毎年4000億円を超える補助金が国から出ています。


●住宅金融公庫融資の廃止・民営化論等に対する様々な意見

住宅金融公庫の直接融資制度がなくなると、住宅購入予定者の4割が「計画を中止・延期する」と答えたとの結果が出ているなど、アンケートをとる対象にもよるのでしょうが、反対意見がかなり多いように見受けられます。
反対の理由としては、「長期・固定・低利の融資の必要性」、「民間金融機関への不信感」「景気への不安、改革手法への疑問」などのようです。
一方、賛成の理由としては、「市場に委ねるべき」「税制等で支援すべき」「構造改革の痛みを甘受し効率化等を図るべき」などのようです。


●今の日本の状況からすると…

1990年代以降、10年以上もの間、日本経済は閉塞感につつまれています。
それを打破するために小泉内閣が「構造改革」を推進しようとし、国民もその小泉内閣を高く支持しています。このことは同時に、総論では国民が変化を求めていることを意味しているのではないでしょうか(自分に“痛み”がふりかかることは嫌だと考える人がいるとは思いますが)。

そう考えると、経済を活性化させるためには民間での競争を促進するという方向の中で、住宅金融公庫の廃止を打ち出すということは、やむを得ないのではないでしょうか。もちろん、今後の住宅政策や他の特殊法人の改革が納得のいく形で進むことが前提ですが。