毎月返済額が少ない分を積立運用すると…
そしてもう一点、考慮しなければならないのが、毎月の積み立てです。4000万円を借りた場合の毎月返済額は約15万円、3000万円の場合だと約12万円。この差額を毎月積み立てて運用していくことが可能だとすると、35年間でどの程度の効果が得られるのかを考える必要があります。頭金を目一杯入れる分だけ毎月返済額を少なくでき、その分を積み立てて運用できるので、期待できる運用利回りが高ければ、その効果は大きくなります。
期待できる運用利回りが低いなら頭金は多めに
では、手元資金の運用と、積み立て運用との両方を考慮した場合どうなるのか。合計すると、以下のようになります。この結果からわかるとおり、期待できる利回りが1%のときは、頭金を多く借入金額を少なくしたほうがよくて、期待できる利回りが借入金利と同じ3%のときは、頭金の量による違いがほとんどなく、期待できる利回りが5%のときは、頭金を少なく手元に多く残したほうが有利だとわかります。
実際には、余裕資金の状況によって繰上げ返済をしたり、教育費のかかり方によって手元に多めに残したりといったように、さまざまな要因の影響で返済計画も途中で変わっていくことが予想されます。今回のこの試算は、あくまでも基本的な考え方として捉えていただければ幸いです。
とにかく、今後の運用環境の好転が期待できるのであれば、頭金を少なく手元資金を多くするというのも一つの方法だといえるでしょう。
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