マーケティング/マーケティング事例

下取りサービスで売上アップの“からくり”(4ページ目)

買取や下取など不用品を引き取るサービスが増加している。顧客にとっては不用品を処分できる嬉しいサービスだが、企業にとっても売上増に繋がるというメリットがある。今回は不用品引取サービスのブームに迫る!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

4.“下取りマーケティング”で成功しやすい企業とは?

“下取りマーケティング”は今後衣料分野でも浸透することが予想される。
ネット調査企業のアイシェアが20~40代を中心とするネットユーザー男女357名を対象に行った調査によると、下取りセールがあるとうれしいものの上位は1位衣類(22.4%)、2位パソコン(16.2%)、3位その他家電(12.3%)、4位デジタルカメラ(11.0%)、5位パソコン周辺機器(10.1%)と続いた。

消費者の意識として下取りセールスのメリットについて見ていくと、46.1%の人が「いらないものを引き取ってくれる」を挙げ、続いて41.2%が「割引等で次の購入が安くすむ」、12.7%が「新しいものを購入するきっかけになる」と続く。特に今や家電はゴミとして処分する際にも費用がかかるために、いらないものを引き取ってくれる上に現金や割引まで手にすることのできるメリットは大きいと言える。

そこで大手の家電量販店などは“下取りマーケティング”を大々的に実施して既に結果を残しているわけであるが、今回の小田急百貨店の成功からもわかるように、消費者の期待は衣料分野でも大きくなっている。

このような観点から、他社に先行して“下取りマーケティング”を実施することにより、ファーストムーバーアドバンテージを享受することができるだろう。

実際に下着メーカー大手のトリンプなどはアウトレット29店で、2009年5月1日から10日の間、不要なブラジャーを回収し、 1枚につき50円を女性の就労と生活を支援するNPOに寄付することに加え、5250円以上の購入者を対象に500円をキャッシュバックするというキャンペーンを実施している。

現代の不況を反映して消費者の期待から、今後は家電ばかりでなく、衣料分野やその他の分野にまで“下取りマーケティング”が浸透していくのではないだろうか。


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