マーケティング/マーケティング事例

弁当箱の売上急増に見る強い企業の作り方(3ページ目)

最近、日本を代表する企業が相次いで業績の下方修正を行うなど不況の足音が急ピッチで迫ってきています。そんな中、売上が急拡大している商品もあります。その要因を分析すると、強い企業体質を作るヒントが・・・

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

“不況=モノが売れない!”は間違った論理

“不況=モノが売れない!”と思考停止に陥ってはいないだろうか?
不況の時代は物が売れないと私達は直感的にイメージしますが、弁当箱の事例を見ていただければわかるように、実のところ必ずしも真実ではありません。不況の時は物が売れないというのは企業側が思い込んでいる勝手な論理と言えます。特に“不況だから物が売れなくてもしょうがない”と思い込んでしまうために思考停止状態に陥って何ら有効な対策を講じることができないという場合も考えられますので注意が必要です。

確かに不況時代は消費の全体的なパイが小さくなってきますので、マクロ的に見ると売上は小さくなりますが、消費が全くなくなることはありえません。不況の時代は消費者の予算が少なくなりますので、無駄な買い物をしないように消費の対象に優先順位が付けて、予算の範囲内で上位の物から購入していくことになります。ここで、好況の時であれば買っていたかもしれないものでも、下位の優先順位が付けられれば「今は我慢」ということで購入の対象から外れた結果、一部の製品は“売れない”という事態に陥ってしまうのです。

このようにして考えると、消費者は好況の時と、不況の時とで購入の優先順位をつける製品の特性に違いがあることがわかります。つまり、好況の時に売れやすい製品と不況の時に売れやすい製品があるということです。

好況と不況というのはどちらか一方の状態が永遠に続くということはありえません。必ずサイクルで好況と不況が繰り返されます。

ここで一つの企業が好況に強い製品、もしくは不況に強い製品のどちらか一方のみでビジネスを展開していた場合はどうなるでしょうか?

次ページでは好況、不況共に強い企業体質作りをマーケティングの観点から行うポイントについて考えていきます。それでは、次ページへお進み下さい!
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