書籍・雑誌
話題の本関連情報(25ページ目)
芥川・直木賞ほか、各種文学賞の受賞作や受賞作品を解説しています。
記事一覧
たまにはじっくり文芸書 『月は静かに』
ガイド記事梅村 千恵『月は静かに』丸山健二新潮社2400円この本を買いたい!■創造力の極限に挑む「庭作り」から生まれた大作。魂を引き絞って、引き絞りきった末に生まれ出る、硬質で重量感ある描写は健在!――無限なる現在と尽きることのない希望によってしっかりと支えられ、常に流動している。左右均等のこの世界は、美の無尽蔵な宝庫...続きを読む
読んだ気になるビジネス書 『エンロンの衝撃』
ガイド記事梅村 千恵『エンロンの衝撃』奥村宏NTT出版1600円この本を買いたい!■偽りの繁栄を作り上げた会計操作。アメリカ型資本主義を襲った「危機」の実態とその背景、波紋に迫る著者は言う。アメリカの21世紀は、二つの危機で幕を開けた、と。一つは、言うまでもなく、9.11同時多発テロ。これは、政治的な側面における「アメ...続きを読む
このミステリーで今夜は眠れない<第2回> 『終戦のローレライ
ガイド記事梅村 千恵『終戦のローレライ』(上・下)福井晴敏講談社上/1700円下/1900円この本を買いたい!■ドイツ潜水艦が日本海軍に託した「秘密兵器」の正体は?奪取せんとする男の企む「国家の切腹」とは?ローレライ――その美しい歌声で、ライン川を往く船人たちを惑わし、川底へと誘う美しき魔性の乙女。本作に登場する“彼女...続きを読む
ちょっとだけカルトな本棚 『大東京三十五区 冥都七事件』
ガイド記事梅村 千恵『大東京三十五区冥都七事件』物集高音祥伝社1800円この本を買いたい!■京極夏彦か、小野不由美か?謎の覆面作家、待望の新作まず、装丁がいい。渋い萌葱に明治~昭和初期の「帝都」の地図を配し、濃茶の枠囲み、白抜きのタイトルバッグ。タイトル文字から帯まで、レトロな雰囲気を出すために計算尽くされている。何に...続きを読む
通勤快読!おすすめモバイル本 『宮崎駿の<世界>』
ガイド記事梅村 千恵『宮崎駿の<世界>』切通理作ちくま新書940円この本を買いたい!■ハイジ、コナン、ナウシカ、ルパン、そして『もののけ姫』『千と千尋』膨大な作品を詳解。しかし、魅力解剖本にはあらずいきなり私事で恐縮だが、巷の評判につられ『もののけ姫』を劇場で見たとき、そのラストで、おもわず、隣の席に座る小学生らしき少...続きを読む
読んだ気になるビジネス書 『巨象も踊る』
ガイド記事梅村 千恵『巨象も踊る』ルイス・ガードナー/著山岡洋一、高遠裕子/訳日本経済新聞社2500円この本を買いたい!■美辞麗句で飾られた空疎な掛け声では企業は変わらない。日本企業で働くビジネス・パーソンたちにも胸に響く「ガードナー流」著者であるルイス・ガードナーは、1993年にIBMの会長兼CEOに就任し、わずか数...続きを読む
年末年始にこの一冊! 『ローマ人の物語11』
ガイド記事梅村 千恵『ローマ人の物語11終わりの始まり』塩野七生新潮社2800円この本を買いたい!■ローマ絶頂期「五賢帝時代」最後の皇帝は、本当に「賢帝」か?欧米史観に反論を試みるこの本の出版予告を見かけるようになると、ああ、今年もそんな季節なんだと思う。年に一回発行、『ローマ人の物語』。ローマ帝国一千年の興亡を描く超...続きを読む
たまにはじっくり。文芸書<第2回> 『愛と永遠の青い空』
ガイド記事梅村 千恵『愛と永遠の青い空』辻仁成幻冬舎1400円この本を買いたい!■トレンディーなはずの著者が選んだ、トレンディーとは程遠い主人公。戦中派の男が宿命の地で見たものとは?主人公は、敗戦、戦後と価値観が一変する時代に生きづらい処世を送ってきた頑固一徹の戦中派である。直木賞作家にして、ミュージシャン、人気恋愛長...続きを読む
ちょっとだけカルトな本棚 『夜の寝覚め』
ガイド記事梅村 千恵『夜の寝覚め』小池真理子集英社1400円この本を買いたい!■この作品の魅力は、私たちだけのもの!?読者限定(?)恋愛小説集直木賞作家であり、数多くのヒット作を持ち、名実とともに当代の人気作家である著者の作品をちょっとだけ、にしろ「カルト」という形容するのは、誤謬かもしれない。しかし、本作に関して言う...続きを読む
このミステリーで今夜は眠れない<第1回> 『半落ち』
ガイド記事梅村 千恵『半落ち』横山秀夫講談社1600円この本を買いたい!■アルツハイマー病の妻を手にかけた警察官。犯行の事実をすべて認めた男が、ただ一つ隠し通そうとしたこととは?「殺人です。女房を殺したと言っています」一本の電話がW県警を揺るがす。自首してきたのは、梶聡一郎警部――書道の達人で、温厚、生真面目。取り調べ...続きを読む