『大東京三十五区 冥都七事件』

物集高音 祥伝社 1800円
この本を買いたい!





■京極夏彦か、小野不由美か?謎の覆面作家、待望の新作

まず、装丁がいい。渋い萌葱に明治~昭和初期の「帝都」の地図を配し、濃茶の枠囲み、白抜きのタイトルバッグ。タイトル文字から帯まで、レトロな雰囲気を出すために計算尽くされている。何にしろ、なかなか、凝ってるな、と思って、装丁の担当を確かめると・・・
「Fisco」。そう、ファンの方にとっては言わずと知れた「妖怪シリーズ」でおなじみの京極夏彦が所属するデザイン事務所である。

そういえば、この物集高音(もずめたかね)という著者、経歴不明の覆面作家なのである。その正体は、京極夏彦説(もしこの仮説があたっているなら、帯に自ら推薦文を書いて、装丁まで手がける京極氏、やはりただものでない)、小野不由美説、複数の作家の共同執筆説、はたまた、ただの新人説という具合に、諸説紛々。

名前からしてなかなかそそられる、物集氏、姓、地域、家紋からその先祖を探り当てる「系図屋」を主人公にした『血食』で、少なくとも局所的にはかなりの話題を呼んだ。

同作の博覧強記(それも実生活にはあんまり役に立たなさそうな知識をのべつまくなく蓄製しているような感じ)の登場人物、レトロがかった舞台設定などは、京極夏彦の『姑獲鳥(うぶめ)の夏』など「妖怪シリーズ」の影響を思わせる。物集高音=京極夏彦かどうかは別として、「10の顔を持つ男」=京極センセイが何らかの形で“噛んでいる”のか?
一方、舞台が和歌山の孤島というあたりは、外界から遮断した村を舞台にした小野不由美の『屍鬼』に似ていなくもない。うーん、彼女も“関係者”か?

その著者の新作となれば、その正体を突き止めるためにも読まずにはなるまい。
(東京都のマークを配したこのタイトルの雰囲気、小野不由美の『東京異聞』に似てますね)

さて、さて、その内容は?