書籍・雑誌
話題の本関連情報(20ページ目)
芥川・直木賞ほか、各種文学賞の受賞作や受賞作品を解説しています。
記事一覧
現代感覚の妙手の「泣き系」短編集 『約束』
ガイド記事梅村 千恵当代きっての人気作家が、喪失の深い哀しみから立ち上げる人々を描いた珠玉の7編。『約束』・石田衣良(著)・価格:1470円(税込)この本を買いたい!■視線の低さと現代感覚が融合して生まれる石田ワールド表題作である『約束』は、2001年の大阪教育大学付属池田小学校児童殺傷事件がモティーフになっている。実...続きを読む
祝!直木賞 『邂逅の森』
ガイド記事梅村 千恵祝!直木賞受賞!若きマタギの人生を自然への畏怖を込めて描く渾身作。『邂逅の森』・熊谷達也(著)・価格:2100円(税込)この本を買いたい!■狩猟シーンの描写は、身体ごと持っていかれそうな迫力、臨場感あり!この作品のことを初めて耳にした時、率直に言って、あまりそそられなかった。だって、主人公がマタギ(...続きを読む
第133回直木賞・芥川賞決定! 『空中ブランコ』
ガイド記事梅村 千恵祝!直木賞受賞!トンデモ精神科医・伊良部が大暴走する爆笑連作短編。『空中ブランコ』・奥田英朗(著)・価格:1238円(税込)この本を買いたい!■直木賞に、奥田氏・熊谷氏。奥田作品の受賞に大盛り上がり!第133回直木賞・芥川賞が決定した。直木賞は、奥田英朗『空中ブランコ』、熊谷達也『邂逅の森』、芥川賞...続きを読む
人気ミステリ作家の新境地!? 『Q&A』
ガイド記事梅村 千恵ノスタルジックなミステリーをお得意とする著者の新境地。リアルに、じわじわ、生理的に怖い・・・。一級のホラー小説。『Q&A』・恩田陸(著)・価格:1785円(税込)この本を買いたい!■日常的な設定、質問形式だけでの物語進行・・・新しい試みへの意欲を感じる一作『黄金の百合の骨』『禁じられた楽園』に続く、...続きを読む
等身大の女性を描かせると当代一かも 『天国はまだ遠く』
ガイド記事梅村 千恵瑞々しい描写とリアリティーで人気の著者。等身大の主人公が、あなたの心の友になってくれるかも。『天国はまだ遠く』この本を買いたい!■デキないワーキング・ウーマン。主人公の設定に「うーん、わかる」・・・『卵の緒』で坊ちゃん文学賞を受賞、『図書館の神様』でブレイクした瀬尾まいこの最新作。「ピュアで瑞々しい...続きを読む
浅田版新鮮組異聞、第二弾! 『輪違屋糸里』
ガイド記事梅村 千恵大河ドラマでブーム、新選組。エンタメ小説の雄・浅田次郎が書くとこうなります。『壬生義士伝』が「男性版」ならこちらは、「女性版」!『輪違屋糸里』この本を買いたい!■浅田版新鮮組異聞第二弾は、芹沢鴨事件にフォーカスした感動大作若き新撰組隊士、彼らに思いを寄せる島原の遊女・・・この登場人物設定だけで、もう...続きを読む
今が旬の新感覚ミステリー作家、最新作 『チルドレン』
ガイド記事梅村 千恵『チルドレン』この本を買いたい!■ヘンテコな主人公が起こす5つの奇跡の物語。ストーリーテーリングの技が冴える『重力ピエロ』が直木賞にノミネート、『アヒルと鴨のコインロッカー』が吉川英治文学賞新人賞を受賞するなど、まさに、「今が旬」の著者。最新作は、ちょっとヘンな主人公が起こす(起こしてしまう)ちょっ...続きを読む
今、ノッている、この作家に注目! 『家守綺譚』
ガイド記事梅村 千恵『家守綺譚』この本を買いたい!■文明の進歩に乗りかねている青年と「人ならぬもの」たちとの静かで伸びやかな交流今回も前回につづいて、本を読む贅沢をゆったり味わえる一冊をご紹介したい。著者は、『西の国の魔女が死んだ』『マジョモリ』『エンジェルエンジェルエンジェル』など、どちらかというと、「ファンシー系」...続きを読む
『博士の愛した数式』に続く佳品! 『ブラフマンの埋葬』
ガイド記事梅村 千恵『ブラフマンの埋葬』この本を買いたい!■幼い頃、日常に感じていた「死」の匂い。切ないけれど、どこか懐かしい記憶を呼び覚ます『博士の愛した数式』で支持層をぐっと広げ、いまもっとも注目すべき作家の一人である小川洋子の最新作。書店員が選ぶ「本屋大賞」を受賞しただけあって、手触りがよく、しかも深い余韻を残す...続きを読む
アジアン文学に注目! 『ライス・マザー』
ガイド記事梅村 千恵『ライス・マザー』この本を買いたい!■「母」として一族に君臨した女性の一代記。だが、一方的な「母性賛歌」にはあらずマレーシアの新星による壮大なファミリー・サーガ。日本軍がマレーシアに侵略した激動の時代をたくましく生き抜いた一人の女性の一代記でもある。1916年、セイロンで生まれたラクシュミーは、14...続きを読む