何故任意保険は支払われないのか?
事例では、一般的に対人賠償保険が支払いになるのではないか?と思われるケースですが、保険金は支払われませんでした。対人賠償保険では「他人」に対して被保険者(保険の対象となる人)が法律上の損害賠償責任を負った場合に支払いの対象となります。
自動車保険約款では、対人事故によって下記のいずれかに該当する者の生命・身体が害された場合に被保険者が被る損害について保険金が支払われないとされています。
(1) 記名被保険者
(2) 被保険自動車を運転中のものまたはその父母・配偶者・子
(3) 被保険者の父母・配偶者または子
(4) 被保険者の業務に従事中の使用人 などとなっています。
よって事例の鈴木さんの子供は対人賠償保険の支払い対象外となります。
自賠責保険ではどうなる
事例の鈴木さんの事故は対人賠償事故ですから、上記任意保険・対人賠償保険の前にこの自賠責保険から支払いとなり、自賠責の限度額を超える部分から対人賠償保険の支払いとなります。(事例の場合は任意保険の対人賠償は免責となり保険金支払い対象外)
自賠責保険の場合には任意保険と扱いが異なり、被害者が運行供用者および運転者(運転補助者を含む)の地位にない場合は、その被害者は「他人」となり、保険金支払の対象となります。
とはいえ、自賠責保険の支払い限度額は傷害で120万円(死亡3000万円、後遺障害最高4000万円)ですから、数ヶ月入院するような事故であればあっという間にこの金額は越えてしまいます。
自動車保険でこれ以上支払われるものがなければ、治療費等は自腹になります。こうした場合の自己負担は大きくなりますので、治療を受ける病院で自由診療ではなく健康保険を利用することをお勧めします。
次回パート2ではこうしたケースに対応する自動車保険の補償について解説します。
記事のアップは4月11日の予定です。
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