運用報告書を読みこなせなければ、投資信託を分かったとはいえません |
パフォーマンス、運用実績、累積リターン
パフォーマンスの報告として、設定来の運用実績と累積リターンを1ページに掲載しています。まず、設定来の運用実績は基準価額の推移を折れ線グラフで示しています。
投資信託が生まれてから、どのように成長したか?そして、ベンチマークに比べてどうだったのか?を知るためのグラフ |
「設定来」とは、投資信託の運用が始まってからという意味です。設定時にはどんなファンドも基準価額は10,000円でスタートするものです。それが直近の決算日(2006年11月30日)には17,202円となっていました。8年7ヶ月かけて72.02%増えたことになります。
1ページには「フィデリティ・日本成長株・ファンドに設定時の10,000円で投資し、収益分配金が出た場合は、そのすべてを再投資にまわします」と書かれており、全体の運用成果を把握していただくために収益分配金が出たとしても、それを再投資した場合の運用成果を示すということを確認しています。
「ただし、申込手数料および収益分配金にかかる税金は考慮しておりません」ということは、信託報酬は控除後の金額であることを意味しています。
信託報酬は、年間1.6065%かかりますが、これは毎日資産から差し引かれているのです。手数料は別途にかかる費用です。また、換金時に利益がでていれば、その10%が課税されます。
1999年6月から2000年1月にかけて(ITバブル崩壊まで)このファンドは大きく成長し、TOPIXを上回りましたが、その後は2003年3月までの株価下落局面では値下がりも大きく、ベンチマークに追いつかれそうになっています。ここから感じることは、このファンドは上昇局面では強いが、軟調な市場ではややパフォーマンスが低下しているようです。それでも、設定来で30%以上TOPIXを上回っています。
ベンチマークとは、その投資信託が目標としている市場指数(インデックス)のことで、日本大型株ではTOPIXや日経225が一般的です。ファンドマネージャーはベンチマークを超えることを目指しています。したがい、市場環境が悪ければ、それに応じて成績が悪くなることは仕方ありません。投資信託は相対収益を求めています。絶対収益を求める人は、ヘッジファンドを探してください(リスクは特大ですが)。
騰落率を数字で表すとこうなります。ここでも、ベンチマークとの優劣に注目しましょう |
「累積リターン」をベンチマークであるTOPIXとの比較で表にしてあります。これは基準価額が何%増えたかというリターンであり、年率換算していないことにご注意ください。
1ページは以上です。次のページで2ページを読んでみましょう!