ホールインワンの保険金はどんな形で何が払われる?
祝福される立場なのに費用を負担しなければいけないのは、ちょっと納得がいかない!?
前ページの事例で、友人が「飲み代おごり」「ドライバー買ってくれ!」などと言っていましたが、実際に保険金は「どのように」「何を」支払ってくれるのでしょうか?
一般的には、ホールインワンやアルバトロスを達成した記念に、「慣習として負担する費用」として保険金が支払われます。具体的には次のものが挙げられます。
・贈答用記念品購入費用
・祝賀会費用
・ゴルフ場に対する記念植樹費用
・同伴キャディに対する祝儀
ですから、飲み代=祝賀会などはOKです。贈答用に記念のタオルを作ったりした費用は賄えますが、さすがにドライバーを買ってあげるのは無理があります。また贈答用とはいえ、有価証券や商品券、プリペードカードなど(達成を記念して特別に作ったものなどはOK)は除かれています。
なお、これらの支出を証明する領収書が必要になります。楽しく飲んで騒いで、領収書を忘れないように気をつけてください。
ホールインワンの「証明」がないと保険金は支払われない
事例では、事実としてホールインワンがあったにも関わらず、保険金が支払われないこととなりました。なぜでしょうか?一般的に保険金が支払われるのは、人のケガや病気、災害や事故などによる物の損害、あるいはこれらに付随する費用に対してがほとんどです。保険商品や事故内容によって、自分の保険での支払いになるものもあれば、相手からの損害賠償金として受け取ることもあります。
ケガをした人、損害のあった物はそこに存在するのでわかります。しかし、ホールインワンやアルバトロスについては、「本当にあった」という事実は証人がいないとわかりません。
そのため、言葉は悪いのですが不正がしやすいともいえます。ホールインワンやアルバトロスの達成で保険金を支払うには、この要件は最も重要です。実際にこの点を悪用したケースも過去にあります。
だからこそ今回の事例のように、同伴の競技者やゴルフ場の証明に加えて、キャディの証明などが必要になるのです。
キャディの証明がないと絶対にだめなのか?
実はキャデイだけでなく、以下の要件を満たしている場合も対象となります。●ゴルフ場の使用人が目撃、署名または記名捺印された証明書が得られる
●会員となっているゴルフ場が主催・共催する公式競技に参加中のホールインワン・アルバトロスで、その公式競技の参加者または競技委員が目撃しており、署名または記名捺印された証明書が得られる
●ビデオ映像(ビデオ撮影機器による映像で、日時、場所、ゴルファーの個別確認等が可能なもので、第1打からボールがカップに入るまで連続した映像)
●同伴競技者以外の第三者(※)が目撃、署名または記名捺印された証明書が得られる
(※)前または後の組のプレーヤー、ゴルフ場に出入りする造園業者、飲食料運搬業者、工事業者など
しかし、その場にいた業者が見てくれているかどうかはわかりませんし、いちいちショートホールの度にビデオカメラを回すというのも面倒です。また、セルフプレーでキャディをつけないケースもかなり多いはずです。要件は緩和されているものの、同伴のキャディさんやたまたま見てくれていた人がいないと、実務的には少々厳しいのが現状です。
本来であれば非常におめでたいホールインワンやアルバトロス。達成した側がお金を支払わなくてはならない慣習にも問題があるように思います。 ホールインワンやアルバトロスは、「おめでとうございます」と言われる数少ない保険事故。なるべくならキャディをつけてプレイすることを心がけてください。
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