山岳事故は増加傾向。特に60歳以上の割合が高い

山岳事故・山岳遭難が話題になることが増えています。平成28年中の山岳事故(遭難)は発生件数,2495件(前年比-13)、遭難者数2,929件(前年比-114件)、死者・行方不明者319人(前年比-16人)でした。

直近の11年間でも、山岳事故は増加傾向にあります。2015年は統計の残る昭和36年以降、発生件数・遭難者数・死者行方不明の数は過去最高になりました。2016年にようやく減少に転じたものの過去2番目に高い数字です。

山岳遭難の発生状況

山岳遭難の発生状況



特に60歳以上の遭難者数は1,482人と、全体の50.6%を占めています(下表)。死者行方不明者については215人、実に67.4%が60歳以上という状況です。

中高年・高齢者の山岳遭難が多い

中高年・高齢者の山岳遭難が多い



さらに40歳以上という年齢までで見ると、全遭難者の77.5%が中高年・高齢者による山岳事故です。中高年・高齢者を中心に発生頻度の高い山岳事故と、それをカバーする山岳保険について解説していきます。

山岳保険ってどんなもの?

損害保険会社では「山岳保険」という保険商品を必ずしも専用に作って販売しているわけではありません。普通傷害保険や国内旅行傷害保険などに、山岳事故特有の特約や割増などを付帯して保険契約を行うことも珍しくありません。

とはいえ、「山岳保険」のほうが一般の人には分かりやすく、商品名にこうした名称を使うことが多いようです。もちろん一部山岳遭難などに特化した保険もあるにはあります。なお、この記事でも以下、山岳保険に統一して解説を進めます。

こうした保険に加入している人は、パンフレットや保険約款、申込書などを見てみれば保険の種類が記載してあります。山岳保険というものの正式な保険の名称が記載されていますから、実際にどんな保険に加入しているのかが分かります。

山岳事故が発生すると、どのくらいの費用がかかる?

山岳で遭難する原因は、道に迷った、滑落した、ケガや体調不良で動けなくなった、急速に天候が悪化した、など色々あるでしょう。

山岳事故などで遭難した場合、よく話題にのぼるのが「捜索費用」です。自治体や警察等のいわゆる公的機関であればコストはかかりませんが、山岳事故の場合は発生して捜索となると、多くの人手や機材、あるいはヘリコプターの手配などが必要です。

しかし、常に公的機関の人手や機材だけで足りるわけではありません。民間のヘリを捜索に使用したり、民間の団体に捜索の依頼をして出動要請したりすると、何十万円もの費用請求があるケースも珍しくありません。

山岳事故、特に遭難に対して、事前の準備や保険への加入は必要なケースが多いと言えるのです。

次に、山岳保険の補償内容と山岳保険に加入する際のポイントについて>>>