賃貸の火災保険のポイントは? |
住宅といえば持家と賃貸がありますが、今回は賃貸住宅にスポットを当てて、火災保険についてQ&A形式で解説していきたいと思います。
賃貸物件ですから、建物は所有者である大家さんが自分で火災保険に加入します。賃借人さんは自分の家財に保険をつければいいわけです。このため家財保険などという言葉が使われることもありますが、つまりは家財を保険の目的として火災保険に加入するということです。
Q. 賃貸の火災保険は必ず加入しないとダメ?
どこの保険会社の商品でどこから加入するかはともかく、加入は必須です。賃貸物件の場合には、大家さんと賃貸借契約を結びます(住宅物件ならたいてい2年間)。失火などによって賃貸している物件などを燃やしてしまった場合、それを大家さんに返すことができなくなります。大家さんに対して債務不履行責任(民法415条)を負いますから、火災保険での備えが必要になります。
これに対応する保険が「借家人賠償責任保険」です。また共同住宅などで階下に漏水事故を起こしたり、ガス爆発を起こして近隣に迷惑をかけた場合の補償に「個人賠償責任保険」などがあります(名称は保険商品などで異なることがあります)。
こうした背景があり、賃貸物件に入居する際、火災保険への加入を必須としている賃貸物件が多いのです。
賃貸では主に家財に保険をつけるわけですが、大家さんからすればこの家財への保険よりも上記の理由などで、それぞれの賠償責任保険を付帯した火災保険が必要になります。
Q. 賃貸物件向けの火災保険の種類は?
賃貸の火災保険では、セット販売しているケースが一般的です。補償内容については大まかなところは現状、各損保社でだいたい同一です。2年間の賃貸借契約にあわせて、火災保険も2年契約の一括払いで掛け金は1万5000円や2万円などの丸い数字になっています(地震保険に加入すると端数がでる)。
これを保険料建てと言います。逆に補償額である保険金額(例えば家財500万円)が丸い数字になっているものを保険金額建てと言います。どちらに合わせるかですが、一般的には保険金額建てで保険金額が丸い数字になっているので、例えば支払う保険料のほうは1万5470円など端数がでます。
次のページでは、個人賠償責任保険と借家人賠償責任保険の違い、家財の適正な補償額と明記物件について解説します。