取崩しを考える第1ステップとして、まずは30で割ってみよう

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増やして取り崩す!
退職金の取り崩しについて計画を考えるとき、アプローチは大きく2つあります。1つは欲しい額を先に考える方法、もうひとつは受取年数を先に考える方法です。たとえば2000万円の退職金があったとします。受取額を先に考える場合、「毎月5万円もらうとしたら、2000÷5=400カ月だから30年以上持つな」という感じです。逆に受取年数を先に考えると「30年で受け取る方法を考えたいから、2000÷30=66.6…万円、つまり毎月5.5万円はもらえるな」という具合です。

計算方法はどちらでもいいのですが、欲しい金額を先に考えると、受取年数を考慮しない計算になってしまいますので、計算より長生きしてしまうと困ってしまいます。ここは受取年数を先に考えておくほうがいいと思います。60歳から計画を考えるのであれば、少なくとも30年くらいの期間を見ておいたほうがいいでしょう。60歳男性の平均余命が22.06年、60歳女性の平均余命が27.62年になっているからです。仮に3歳年下の妻がいる男性が60歳で定年退職をしたとしたら妻が亡くなるまで、老後は30年あるということになるわけです。計算式にすると以下のような感じです。

(あなたの退職金額)÷360=(毎月の受取額)


計算するとおそらく、「え、たったこれだけ?」と思う人のほうが多いことでしょう。1000万円あたり月額2.77万円ですから当然です。しかし心配する必要はありません。第一ステップとしては「増やしながら取り崩す」のではなく「単純に取り崩す」計算をしているからです。

増やしながら取り崩すと、退職金は長持ちする

退職金の取り崩しを考える際には「増やしながら崩す」という発想を持つことが大切です。20年以上にもなるセカンドライフの長い時間の中でまったく増えない前提で考える必要はないからです。

たとえば1200万円の退職金を毎月5万円ずつ受け取るとします。利息がなければ、240カ月でゼロ円になります。つまり20年で底をつくことになるわけです。しかし、毎年2%ずつ増やしながら、同じ額を受け取っていくとどうなるでしょう。なんと306カ月(25年半)ももらい続けることができます。受取総額はなんと1534万円。利息の影響は決して無視できません。

退職金の取り崩し計画においては、増やすことで退職金が長持ちします。1200万円を2%運用できた例で仮に受取期間を20年に固定すれば、毎月の受取額は60706円に増えるのです。最初の受取額(5万円)と比べれば2割も増えている計算です。

もちろん、高利回りであれば、その分受取額は増えることになります。仮に毎年4%程度のリターンがあれば、毎月5万円ずつ取り崩すなら40年持ちますし、20年でもらいきる前提であれば毎月72718円も受け取れます。仮に年5%の収益が稼げるとなると、毎月の収益が5万円なので、なんと!永遠に残高は減らずに5万円を貰い続けることができるほどです。やはり、増やしながら取り崩すことは大切ですね。

次のページで早見表を掲載しますので、自分なりに計算をしてみてください。

→早見表で自分の「増やして受け取る」計画を考えよう。次ページへ