九州地方のおすすめの神社と寺
■太宰府天満宮(福岡県太宰府市)菅原道真は、無実の罪を着せられ、太宰府に流されて失意のまま亡くなりました。ご遺体を京都に運ぼうとしましたが、それを乗せた牛車がこの場所で動かなくなったため、ここに廟が建てられました。それが太宰府天満宮の始まりです。菅原道真は天神さんとも呼ばれ、学問の神様でもあることから、受験生のお参りが特に多いです。「東風吹かば にほひをこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」という有名な和歌もあるように道真さんは梅が好きで、都から主を慕って飛んできて根付いた「飛び梅」もあります。周辺の門前町では、それにちなんだ梅ヶ枝餅が名物になっています。
■観世音寺(福岡県太宰府市)
太宰府の歴史は菅原道真が流されてきた平安時代よりはるかに古く、日本海の向こうの朝鮮半島からやってくる人々を迎え入れる玄関口として、また、国防の最前線として、奈良と深いつながりがありました。観世音寺は、白鳳時代、天智天皇が母親の斉明天皇の菩提を弔うために建てたとされる寺で、国宝の梵鐘や優れた仏像を数々保有しています。
■宗像大社(福岡県宗像市)
天照大神の御子である3人の女神を祀る神社で、宗像市にある辺津宮(へつみや)、少し沖の筑前大島にある中津宮(なかつみや)、沖ノ島にある沖津宮(おきつみや)の三社を総称して宗像大社といいます。この3つの地点を結んだ延長線上には朝鮮半島があり、沖ノ島は、古くから交流によって栄えました。沖ノ島は全体が聖地であり、今もって、女人禁制が厳格に守られています。島からは、古代の祭祀に使われた道具など、数々の文化財が発掘されています。
■宇佐神宮(大分県宇佐市)
全国にある八幡宮の総本宮。天平時代、聖武天皇の東大寺大仏建立に対し、「全国の神を率いて協力する」という託宣を出し、八幡様は国家的な神として浸透したということです。東大寺境内にも、手向山八幡宮があり、東大寺の守護神となっています。本殿は、八幡造りという独特の形で、国宝に指定されています。
■富貴寺(大分県豊後高田市)
宇佐神宮は神仏混淆で、富貴寺は平安時代に宇佐神宮大宮司の氏寺として開かれた寺院です。中でも阿弥陀堂(富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であるとともに国宝指定もされています。本尊の阿弥陀如来像は平安時代の美仏で、仏像マニア必見。
※この寺がある国東半島は、よい仏像、石仏が数々あることで知られ、真木大堂などもおすすめです。
■臼杵磨崖仏(大分県臼杵市)
大分県は、磨崖仏(岩壁を彫って作った仏像)や石仏が多いところで、中でも、この臼杵磨崖仏は、石造の仏像としては、日本で唯一の国宝です。
■高千穂神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
高千穂は、神話によれば、天孫(天照大神の孫)が降臨した地とされます。出雲の大国主命から国を譲られた結果、天の神様が地に降りてこられることになったのです。高千穂には数々の神社があり、その総社が、この高千穂神社。高千穂町は夜神楽でも有名で、それぞれの集落で真冬の夜を徹して行われますが、こちらの神社では、毎晩、観光神楽を見られます。
■天岩戸神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
天照大神を祀る神社で、弟スサノオの乱行に怒った天照大神がお隠れになったという天岩戸があります。
■崇福寺(長崎県長崎市)
江戸時代に中国より伝わった黄檗宗(禅宗の一派)の寺で、中国風の竜宮城のような建物が特徴です。大雄宝殿、門などが国宝に指定されています。