香港/香港関連情報

どこまで戦いは続くのか? 打倒スーパー!ブチ切れ肉屋さん(4ページ目)

香港の大手スーパー2社が「肉」を激安価格で販売し始めました。香港の「肉」の9割は市場で販売されているもの。シェアを奪おうとするスーパー対市場の肉屋さんから、香港商人魂が見えてきます!

執筆者:岩野 睦

<仕入れと販売の価格>豚肉1斤600gあたり

★商社「五豊行」からの通常の仕入れ値 18香港ドル
★市場(街市)での販売価格 24香港ドル
★パークンショップでの販売価格 19香港ドル

発覚!卸値が突然、大口客にだけ割引に

たった、1香港ドル(約16円)で利益がでるとは思えない。いままでは卸値は一緒だったはずなのに。この商社は、大手2社だけに子会社を経由し、大口割引を適用し約13香港ドルで卸し始めたのです。

フェアでないとキレる肉屋さん

その動きにキレた、市場の肉屋さんたちとは、商社も交渉に応じず。結果、肉屋さんたちは、香港政府に仲裁を依頼しました。

市場(街市)が90%近い豚肉を家庭に供給しているので、スーパー同士のつぶしあいが、ひと段落したいま、この市場の客を狙おうとしていて、不公平と。

自由経済を盾にした政府に、さらにキレて

でも、政府は自由経済の原則にのっとって仲裁をしないで様子見をすることになったのです。

こうなったら実力行使。市場の肉屋さんたちは食肉工場を自分たちの車で取り囲み、大手スーパーの食肉輸送車を包囲!

そして、抗議の意をしめすため、実力行使のあった今月は、1日だけ豚肉が市場から姿を消したのでした。その日の新聞トップニュースは、

「豚肉は、今日は市場にありません」


だったのです!

でも、とっても現実的な肉屋さん

でも、1日だけっていうのも香港的。肉屋さんたちも、自分たちがこの状況を続ける限り現金収入が入るわけがないという合理的な判断をされたのでしょう。翌日からは通常営業に戻りました。

とはいっても、大手スーパーは激安豚肉を引き続き販売中。客足が減った市場の豚肉コーナーでは非常に不満そうな顔をたくさん見受けられる日々が続いています。

そんなわけで、今回は食べ物とビジネスが密接に絡みついた、商人の都、香港らしいニュースをお届けしてみました!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます