●クーポン発行がまさに悪夢へ
約2ヶ月に1回、この仏系スーパーは各家庭のポストに割引クーポン冊子を配布するのが通例となっていました。徐々に勢力を拡大していくこのスーパーに危機感を覚えたパークンショップは、そのクーポンを逆手にとって見事なくらいこの仏系スーパーを窮地に陥れました。
「仏系スーパーで発行されたクーポンは、そのまま当店で利用可能です!」
●まさに他人の土俵で勝手に勝負!
パークンショップは店にただ1枚ポスターを貼るだけ。宣伝費浮きまくりですね。
この仏系スーパーがクーポンを発行するたびに店舗数がやたら多く、近隣のパークンショップに人がなだれ込むという、まさにエゲツない戦争に、撤収せざるを得なかったという見方も出来ます。
●豚肉激安のウラ
さあ、大脱線してしまいましたが、豚肉に話を戻します。パークンショップは豚肉1斤(600g)あたり19香港ドル(約300円)という値段は革命的な値段だったのです。
100gあたり50円計算!世界で5本の指に入るくらい高物価な香港でもびっくりのプライス。すぐにもう一方の大手ウェルカムが同価格で追随。しかし、今回は何かオカシイと気づいた人々がいました。市場の肉屋さんたちです。
●香港の豚肉の流通経路
香港の豚肉は輸入肉を除き、生きた豚のまま香港に中国本土からやってきます。すると香港北部の境界線近くにある工場で処理されます。そして、それを部分ごとに解体してゆく工場が香港内に数箇所あり、そこを経由して流通するのです。
●ここに今回の影の主役の食品商社登場!
それらの工場を経営するのが「五豊行」という食品商社。香港の豚肉のなんと90%以上がこの商社を経由してやってきます。豚肉の密輸でもしないかぎり、ありえないこの価格設定のカラクリが…。
肉屋さんたちのマスコミにむけた抗議行動で明らかになっていったのです。