秋の味覚1 上海蟹(中国)
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上海蟹は小ぶりで一杯約200~250グラム。ショウガや黒醋などタレにつけて食べる |
最近は日本でも知名度が高い上海蟹は、上海近くの湖や川で獲れるモクズガニの一種。上海蟹といっても、上海市内で獲れるわけではありません。一番有名な産地は、陽澄湖(ヨウチョウコ)。上海から車で1時間強の江蘇省にあります。シーズンは10~12月ごろ。なかでも卵がたっぷりの10月の雌、白子が詰まった11月の雄が人気です。ちなみに中国では上海蟹ではなく大閘蟹(ダージャーシエ)と呼ばれていますのでご注意を。きれいに食べるのがなかなか難しいですが、スタッフが身をほぐしてくれる店もあります。
秋の味覚2 トリュフ(イタリア)
世界三大珍味のひとつにも数えられるトリュフにも、実はいろいろな種類があります。夏が旬のサマートリュフ、冬が最盛期の黒トリュフ、そして秋に短い旬を迎えるのが最高級の白トリュフです。価格は黒トリュフの数倍もするといわれ、香りも風味も別格。生のまま料理に使うのが醍醐味です。イタリアのアルバ産のものが有名ですが、クロアチアのイストラ半島などでも良質のトリュフが収穫されています。
秋の味覚3 フンギポルチーニ(イタリア)
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乾燥のフンギポルチーニなら年中手に入るが、生は季節限定モノ! |
イタリアの秋の味覚、フンギポルチーニ(ポルチーニ茸)は、かぐわしい香りをまとったキノコ。乾燥物は年中食べられますが、生のポルチーニが市場に出回る時期は限られており、夏の終わりから秋の短い間だけ。パスタやサラダにのせるなど味わい方はいろいろ。もちろん、レストランの料理にもふんだんに使われます。
秋の味覚4 ジビエ(フランス)
ジビエとは狩猟によって捕獲された野鳥獣のこと。引き締まった身には脂も贅沢にのり、野趣に富んだ味わいが魅力です。9月ごろに狩猟が解禁されるので、秋から年明けくらいまでが旬。具体的にはカモやキジなどの鳥類、ウサギ、シカ、イノシシなどの獣類が使われ、煮込みやローストで供されることが一般的です。
秋の味覚5 松茸(韓国)
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茸がのったプルコギ(プルコギ鍋で下味をつけた肉を焼く料理) |
松茸は韓国でも高級品ですが、日本で食べるよりは若干リーズナブルです。平均すると1kgで約20~30万ウォンほど(約1.5~2.3万円)。等級によって価格にはだいぶ幅があります。韓国の人たちは日本人ほど松茸を食べないようですが、それでもシーズンを迎える9~10月には、ホテルが松茸フェアを開いたり、レストランにも松茸料理が登場。ソウルの南大門市場や京東市場では売られている松茸はお土産にもいいですが、土のついたものは日本へ持ち込み禁止です。近ごろは安い中国産や北朝鮮産のものも多く出回っているので、産地の確認もお忘れなく。ちなみに韓国の高級松茸ブランドといえば襄陽(ヤンヤン)が有名です。
秋の味覚6 ムール貝(ベルギー、オランダ他)
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ムール貝のベストシーズンは秋から冬 |
ベルギー名物としておなじみのムール貝ですが、ベルギーで食べられているムール貝は北海産。おもにオランダのゼーラント州で獲れたものを輸入しています。オランダ南西部のゼーラント州はベルギーとの国境に近いムール貝の名産地です。一年中食べることができるムール貝ですが、シーズンは7月中旬からイースター(3月下旬~4月末、年によって変動)まで。とくに秋から冬(9月~12月ごろ)が良いといわれます。ちなみに、ムール貝は大きければ大きいほどよいというものでもありません。殻は大きくても身が小さいものもあります。