知っておきたいビールの基礎知識

ビール
ひとくちでビールと言っても色も味もさまざま。色は麦芽の焙燥度合いで変わる
ホップ
苦みや香りづけに欠かせないホップ
日本で最も多く消費されているアルコール飲料のひとつであるビール。爽快感やキレをウリにする日本のビールは、世界に数多あるビールのほんの1ジャンルに過ぎません。世界各地のご当地ビールは旅のシーンをより美味しく彩ってくれることでしょう。

ビール造りの歴史は今から5,000年以上昔にもさかのぼり、メソポタミア文明やエジプト文明の遺跡にその跡が残されています。ビールのおもな原料は、大麦麦芽、ホップ(クワ科の毬花)、そして水。酵母の働きによって、麦芽のなかに含まれる糖分がアルコールと炭酸ガスに姿を変えること(アルコール発酵)によって、ビールが出来上がります。

ビールのスタイルは酵母の種類によって大きく2つにわけられます。15~25℃の高温で発酵する上面(じょうめん)発酵酵母を使った「エール」と8~15℃の低温で発酵する下面(かめん)発酵酵母を使った「ラガー」です。歴史が古いのはエールですが、現在、世界のビール市場で大多数を占めるのはラガーの方。すっきりした爽やかな味わいが特徴で、日本の大手ビール会社のビールもほとんどがコレ(※さらに細かくいえば後述のピルスナータイプ)。とはいえ、ヨーロッパではエールも盛んに造られており、じっくり味わいたいコクのあるビールが多数そろっています。

ちなみに「生ビール」というと、樽出しビール(ドラフトビール)をイメージする人が多いかもしれませんが、日本でいう「生ビール」とは低温殺菌(熱処理)をしていないこと。だから瓶や缶でも「生ビール」と謳っているのですが、一般的に熱処理の有無が味の優劣には関係しないといわれています。

ドイツのビール

ヴァイツェン
小麦を使ったヴァイツェンは泡持ちの良さも特徴
ビール大国として知られるドイツには1,300近くのビール醸造所があり、5,000以上ものビールが造られています。1516年に発令されたビール純粋法では、ビール醸造には麦芽・ホップ・水しか使ってはいけないと定めており、いまでもドイツの醸造所の多くはこの規定に則ったビール造りをしています。

ドイツのビールもその多くはラガーで、北ドイツではポップが程よく効いた「ピルスナー」、南ドイツ、とくにバイエルン州ではモルトの力強さが際立つ「ヘレス」が人気。もちろんエールの味にも定評があり、有名なものにケルンの「ケルシュ」、デュッセルドルフの「アルト」などがあります。また、ベルリン近郊で造られる「ベルリーナ・ヴァイセ」はアルコール度数が3%前後と低いので、ジュース感覚で飲めてしまうかも。バイエルンの「ヴァイツェン」は小麦麦芽を使っており、若干にごりが見られます。

毎年9~10月にミュンヘンでおこなわれる世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」では、昔は3月に醸造されたビール「メルツェン」が供されていました。これは冷蔵技術の未発達によりビールを造ることのできるリミットが3月だったため。もちろん今ではビール造りは一年中可能。祭りにはオクトーバーフェスト用に各社が腕によりをかけた特別ビールを用意します。