イタリア/イタリア基本情報

イタリアでひとり旅してみる?女子ひとり旅体験記と注意点や教訓

ひとり旅の経験はありますか? これからしてみたいと考えてる人は必見。ガイドの南イタリア1人旅経験談を交えて送る「イタリア女子ひとり旅のコツ」。女性のイタリアひとり旅は危険? 食事はどうする? などなど、イタリアひとり旅の極意をお伝えします。

岩田 デノーラ 砂和子

執筆者:岩田 デノーラ 砂和子

イタリアガイド

イタリアでひとり旅してみたい!

イタリアのひとり旅の極意を解説

ひとりっきりの旅は風景も違って見えるかもしれない

友達や家族、恋人と。誰かと一緒の旅も良いけれど、誰かに合わせることなくひとりで自由気ままに過ごせるひとり旅もまたオツなもの。

そもそもひとり旅が好きな人もいれば、休みのタイミングが合わなくて結果的にひとり旅になることもあるかもしれない。目的を持って初めてひとり旅にチャレンジする人もいるでしょう。
  • 習ったイタリア語を現地で使ってみたい。
  • 短期で語学学校に行ってみたい。
  • 美術館を徹底的にめぐりたい。
  • ナポリでピッツァを食べ比べたい。
  • ワイナリーでじっくりワインを堪能したい。
  • 現地の友達を作りたい。
  • 本場の料理を習ってレシピを増やしたい。
などなどなど。ひとり旅は自分のもの。目的や理由はなんだって良いのです!
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Barで地元の人に混ざって立ち飲みしてみたい!なんて夢がきっかけでも良いんじゃない?

なんだか惹かれるイタリアを、誰かを介せず誰の助けも借りずにダイレクトに体感してみれば、想像通りか想像を絶する体験になるか?好奇心と冒険欲を刺激するひとり旅。ガイド岩田の初ひとり旅体験談を交えて、イタリアひとり旅のコツをご紹介します。
 

イタリアひとり旅ルートは、期待と妄想の結晶

自分勝手に旅のルートを決められるのもひとり旅の醍醐味。ルート作りは、好き放題に希望を列挙することから始まります。
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観光客ではなく、暮らしてみるフィレンツェはどんな感じかな?

ガイド岩田がイタリアに暮らし始める前の前。もはや思い出すのも難しいくらい昔の話になりますが、憧れていたイタリアでしてみたかったことは……「フィレンツェに住んでみたい」「イタリア人の普段の暮らしを見てみたい」「トスカーナの田舎に行ってみたい」「シチリアに行ってみたい」「海峡を渡る”電車”を体験してみたい」「シラクサの旧市街を歩いてみたい」と、バラバラ(笑)。

その結果、立てたルートがこちら:

日本出発

ローマ経由でフィレンツェへ
語学学校に短期留学2週間&ホームステイ

トスカーナの料理教室留学1週間&滞在

ナポリ・ソレント周辺を探検

電車でシチリアへ移動

シラクサを探検

カターニャからローマ経由で帰国

まず語学学校でイタリア語に慣れてから、イタリア語を使って旅をしよう!でも、語学は2週間でどうにかなるものでもありません(笑)。計画的なようで無謀な冒険。好奇心とせっかちさが浮き彫りになるルートができましたが、誰に気兼ねすることもありません。なぜならひとり旅だから!

イタリアのどこへ行く? イメージで南イタリアを選択!

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南は開放的で気楽に過ごせそうなイメージ

他の外国人と一緒になる語学学校や料理教室での短期留学も初体験でドッキドキでしたが、困った時には相談できるクラスメイトや先生がいます。本番は、本当にひとりぼっちになるところから。

なのに、イメージ的にちょっと危険な感じも漂う南イタリアを選んだのは、映画や本で知る南イタリアへの憧れと「なんとなく南の人の方が気さくそう。イタリア語がまともに話せなくても、おおらかに相手をしてくれそう。ひとりでもなんとかなりそう(してくれそう)」だったから。

そう、単なるイメージ。マイナスイメージよりポジティブイメージが上回った結果です。行ったこともないのだから、イメージで選ぶしかありませんよね。
 

治安が心配!危機管理は想像しうる限りしておくこと

気さくなイメージと同時に危険なイメージも伴う南イタリア。危機管理は徹底し、万全の体制で挑みました。
 
《用意したもの》

・防犯ベル(何が起こるかわからないから)
・ポケットの多いコート(バックを持って歩かなくても良いように)
・服の下につけられるベルト仕様の貴重品入れ

万全には万全を期し、クレジットカードや現金は分散して保管。さらに、行く予定の街のマップや行き先ルートを暗記しました(笑)。街角でぼんやりマップを見ていたら、狙われるかな?なんて想像したからです。

結果、防犯ベルを使う場面はありませんでしたが、ポケットや貴重品入れは、貴重品を肌で感じながら管理できる安心感=余った神経で他に注意が向けられるのでとても便利でした。

旅の間はとても警戒して過ごしましたが、気を張っている=気をつけている人はスリも狙わないことも体感。でも、そこまで警戒する必要はなかったかな~とは思いません。海外では、警戒して当たり前。イタリア暮らしも長くなり、すっかり警戒が身についた今、日本の安全さは特別なものだとしみじみ実感します。

安全な日本からの旅では、普段使わない神経の感度を上げる必要があるのでかなり疲れます。だから……、

無理のないスケジュールで動く
しっかり休めるホテルにする。
(特に女性のひとり旅の時は、いつもより”良い目のホテル”をとるくらいした方が良いです。平たく言えば、ケチらないこと!)
ちゃんと食べる。
(ひとり旅の時は特にテキトーになりがち。毎食しっかり食べる必要はないですが、たまにはしっかりゆっくり安心して食べられる日を予定しておく)

元気に警戒できるように(笑)!見落としがちだけど、ひとり旅に大切なことです。

ちなみに、スマホ頼りになりがちですが、いつ壊れたり、無くしたり、そもそもWifiに繋がらなくなるかわかりません!ホテルの予約シートやEチケット、必要な連絡先など、重要なものはアナログですがプリントアウトしておくのが無難でしょう。

スマホが開けなくなったら…完全なパニック。日本では”ささいなもの”でも、海外では生死に関わってきます。バッテリーも命綱。大容量のモバイルバッテリーは必携です。
 

イタリアのひとり旅中に、気軽に声をかけてくる人は要注意!

さてさて実際のところ、120%の警戒をしていたおかげか、スリや置き引きに会うこともなく無事でしたが、想像を斜め上に超えた危険を感じることがありました。

それは…声をかけてくる男性のしつこさ!!
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悪い人ばかりではないはずだけど、気さくさとウザさは紙一重

「南イタリア人は気さく」のイメージは、まさにイメージ通りでしたが、必要以上に気さくな人もいて……。当時のひとり旅日記の中には「シラクーサの男性は、ホルモンの病かも」とメモっていたほど、それはそれはしつこく、まさに想像を絶していました。

バールやタバッキでヒマなご近所さんが、ホテルではボーイさんが、銀行では行員が、

「ねえ、どこからきたの?何してるの?今夜、一緒に出かけない?」

美術館では監視員につきまとわれ、「鑑賞を邪魔する監視員がこの世にいるのか!」と面食らいました。

悪気はないんでしょう。単なる習慣なのかもしれない。邪険にするのも悪いかな?などとちょっとでも相手をしようものなら、エンドレスループに陥ります。完全無視もしくはきっぱりとしたNO以外、対策はないことも学びました。

もちろん、南イタリアの男性全員がしつこいわけではありません。基本的には真面目な人の方が多いのですが、そもそもまともな人は”しつこく”声をかけてきたりはしませんから、路上で出会うこともないわけです。

気さくに声をかけてくる人は、親切以外の目的がある人。肝に銘じて、NOと言える日本人になりましょう。自分の身を守れるのは、自分だけです。
 

悪い人ばかりではない!? 見極める力を養うイタリアひとり旅

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オレンジ色にライトアップされるイタリアの夜は素敵…だけど一人歩きはやっぱりコワイ

また、こんなこともありました。

ある夜のこと。とある停留所でバスを待っていると、若い男子たちがゾロゾロとやってきました。珍しいのかジロジロ見られるし、夜だし、怖い!あまりの怖さに耐えきれず、声をかけてみることに。攻撃は最大の防御なり。

「このバスは●●に行きますか?」

覚えたてのイタリア語で話しかけると、男の子たちは一斉に「行くよ!」と答え、これをきっかけに会話が始まりました。

(心の声)これで大丈夫。変な人がきたらこの子達と知り合いのふりをすれば……。

バスに乗車すると、なんとなく別れて座りました。すると、彼らのうちの一人が近くにやってきて、黙ったまま側に立ったのです。

(心の声)あ、怪しい…。やっぱりコイツも…。

思わず、バックを抱える腕に力が入ります。緊張感を保ちつつ車窓を眺めていると、彼らの降りる停留所に到着しました。怪しい男子もみんなと一緒に降りるはず。そんなホッとした瞬間、怪しい男子はチケットの裏にササッと何か書き込み、私に手渡すと「チャオ!」と笑顔で降りて行きました。

チケットの裏を見ると、「気をつけてね、Buon viaggio(良い旅を)!」とメッセージが

なんということでしょう。ボディガードのつもりでそばにいてくれたのでしょうか?怪しがってごめん。記念に取っておこうと思ったチケットは、とっくの昔になくしましたが良い思い出です。

しつこい男性に辟易してるばかりでは、旅の出会いやイタリアの良い側面も見逃します。どの人が本当の親切で、どの人が裏目的で近づいているか。いつもより感度をあげて。またもや普段は使わない神経を使うことになりますが、これも人生勉強。

警戒したり人を見極めたり。ひとり旅で鍛えた”普段使わない神経”が、日本での暮らしやその後の人生を助けることもあるでしょう。そしてきっと、日本の良さを再発見することもあるはず。

どうぞ気をつけて、良い旅を!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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