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陸奥湾の夏の美味 ふじつぼ(2ページ目)

蟹のようで、雲丹のようで、海老のようで。不思議な海の幸、ふじつぼ。高級料亭でも供される逸品。7月~9月 青森を中心に僅かに水揚げされる美味です。

執筆者:萩原 章史

フジツボ
オレンジ色の部分、白い部分、どちらもかなり美味!

ふじつぼの食べ方

フジツボ
中央部の二枚の三角部分を引っ張り出します
ふじつぼの硬い殻の中に、二枚貝のような部分があります。要はそれを引っ張り出す作業が全ての基本です。

料理屋では食べやすいように、ふじつぼの先端部を削って、火山で例えると火口部分を広くしてくれるので、簡単に出ます。ただし、火口の直径と二枚貝のような部分の直径がほとんど同じなので、爪楊枝で引っ張りだすのは困難です。例えば、ピンセットを使うのが簡単です。もちろん、フォークや金串でもOKです。

ふじつぼの味は?

フジツボ
濃厚な味わいですが、後味も良いです
大きくわけると2つの味です。オレンジ色の部分は「うに」「えびの内子」「淡白な蟹味噌」を足して3で割ったような味です。
非常に濃厚でありながら、後味はすっきりしています。

白い部分は「かに」「貝」「えび」を足して3で割って、少しかにの味が強い印象です。

グロテスクとか食べる部分が少ないとか、色々なご意見はあるかと思いますが、純粋にこれはうまいです。コハク酸を中心にうまみ成分が非常に豊富だと思います。

残念ながら、一般的な食材ではないので、正確な栄養素の数値はわかりませんが、きっと素晴らしいと思います。

これは酒肴以外の何者でもないです。ご飯のおかずには絶対に向かないです。

フジツボ
指の大きさから、ふじつぼの大きさがわかります
中身を引っ張り出して食し、最後はつぼの底に残ったオレンジ色部分をすすります。
これがまた程よい塩気で美味です。

やっぱり、あわせるのは日本酒が良いかな?

ふじつぼは、チリでも人気があります。現地では「ピコロコ」と呼ばれています。
こちらは巨大で、大きいものは殻の高さが15センチもあるようですから、日本のふじつぼの3倍サイズです。3×3×3=27。食べる部分のボリュームは30倍近い計算です。そんなに巨大なふじつぼを食べたら、恐ろしいことになりそうです。

最近では地元青森でも珍しくなったふじつぼ。今回は築地市場のこだわり仲卸の藤田水産さんから取り寄せました。
珍味中の珍味 ふじつぼは有名な料亭などで、常連客の胃袋に消えていくようです。 

【お取り寄せ情報】
築地の藤田水産 ※早朝は忙しいので、電話は10時以降に
電話:03-3248-1351 


【前回、ご紹介した産直品】
・清流の美味  高津川の鮎を愚直に堪能する

【7月の産直品といえば、コレ!】
・生命力旺盛な鱧の卵を食す 鱧の卵の煮付け

・夏の毛蟹がうまい! 虎杖浜の毛蟹

・北海道野付湾名産 北海しまえび
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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