■非常に締まった赤身の食感と、とろける脂身のアンバランスが魅力
このくらいの高レベルの素材となると、極力、何もしない方が美味しいかもしれません。
上質な鶏肉は塩だけの焼きとりが美味しいように、そのまま、グリルパンか網焼きにするのがおすすめです。
特に今回ご紹介する商品はプロ向けで1パックが1kg弱なので、先ずは素材をシンプルに味わってから、素材の特徴を生かした色々な楽しみ方を発見するのも楽しみです。
もちろん、とんかつも良いかもしれませんが、含水量が少なく肉質がしっかりしているので、火を通しすぎると硬くなります。このあたりの火加減も腕の見せ所です。
(ポイント1)
脂のうまさが秀逸なので、決して脂分を切り落とさないこと。脂が気になる方はこの食材を購入されない方が良いです。ただし、普通の白豚の脂よりもずっと上質で、脂っぽさは気になりません。
(ポイント2)
やはり、肉汁の流失を避けたいので、出来るだけ固まりのままで調理するか、厚めに切って料理するのに限ります。調理の際は、素材が冷凍なので十分に解凍し、室温程度まで戻すことで火のとおりを均一にし、調理の失敗を防げます。
(ポイント3)
塩を振った時点から肉は硬くなります。ソテーでもグリルでも加熱直前に塩を振ることが大切です。もちろん、料理によっては、いったん塩漬けにする場合もありますが、イベリコ豚の肉質は締まっているので、白豚と同じ感覚で塩を振っておくと硬くなります。なお、脂部分に関しては塩を振っても大丈夫です。
(ポイント4)
脂部分に十分に火を入れ、表面が少しこげるくらいが香ばしくて美味しいです。塊でローストする場合も脂面は十分に強火で過熱し、焦げ目をつけるくらいがちょうど良いです。
(ポイント5)
イベリコ豚自身の脂が美味しいので、調理の際に他の油は控える。肉自身からにじみ出る脂が多いので、他の油は控えめが良いです。(極力、使わない方が脂の香りを楽しめます)
素材が良いと、どんな料理でも美味しいですが、私が好きな厚切り豚肉の食べ方をご紹介します。
■イベリコ豚の美味しい食べ方
(材料)
豚肉・ローリエ(ドライ)・ローズマリー(生)・ニンニク・塩・黒胡椒・オリーブオイル
豚肉は最低でも3センチの厚さが欲しいです。
豚肉をみじん切りのニンニクとローリエ・ローズマリーと胡椒をまぶして寝かせます。
その際に全体に香りが行き渡るようにオリーブオイルを振り、手で全体を軽くもみます。
最低でも2~3時間寝かせてから、ペーパータオルでみじん切りのニンニクをふき取ります。
(長い時間、じっくり焼くのでニンニクがこげると苦くなる為)厚手のフライパン(出来ればグリルパン)を良く加熱し、塩を振った豚肉と漬け込みに使ったローズマリーとローリエを乗せます。
最初は強火で両面を焼き固めてから、中火にして、じっくりと火を入れます。
フライパンよりも小さなサイズの蓋(注意:同じサイズのぴったりした蓋をすると、蒸し焼きになり美味しくない)を肉にかぶせ、火の回りを助けます。アルミホイルでも良いです。
両面をじっくりと焼き、金串を刺して唇で火のとおりをチェックし、同時に金串の穴から透明な肉汁が出てきたら出来上がりです。
自宅での料理なので、もし、中心部に赤い部分があった場合は、もう一度焼けば良いだけです。あまり神経質にならないで、豪快に焼いて食べるのがコツです。
塩加減は薄めにして、食べる時に塩などをつけて食べるのも楽しいです。素材が良いと色々な調味料が合います。
【取り寄せ情報】
藤屋 担当者 榎本さん
電話番号 03-3522-2200
イベリコ豚はサイズがまちまちなので、必ず電話で確認して下さい。
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