『中身』とは何でしょうか?
正解はホルモンです。こちらは石垣牛ではなく、沖縄県産の和牛のものです。今回の袋をあけたところ、胃袋各種・ハツ・レバー・小腸・横隔膜が入っていました。
1kgのパックにどの部位がどれだけ入っているかは分からないそうです。沖縄では中身汁という清まし仕立ての煮込みを食べるので、この中身セットが商品としてあるそうです。(共栄ミート談)
早速、『中身汁』に挑戦です。沖縄は家庭毎に味があるようで、私も適当に萩原流の中身汁を作ってみました。本来は豚の内臓でつくりますが、もちろん、牛でも美味しいです。
■ コツは流水でよく洗うこと ■
先ずは大鍋にタップリのお湯を沸かします。沸くまで『中身』を流水で良く洗います。特にレバーは血の気が多いので長めにさらしたいです。次に沸いたお湯に中身を入れて霜降りにします。部位ごとのサイズが違うので、丁寧に仕事するのであれば、最初に中身を部位ごとに分け、部位ごとに霜降りにします。
※「霜降りにする」とは、お湯の中でさっと火を通すことです。
赤身でも白身でもお湯でさっと火がとおると、霜が下りたように表面だけが白くなります。
これで素材の臭みが抜けます。
霜降り完了後、沖縄では小麦粉をいれてよく揉み、流水で洗い流す作業を2回3回して完璧に臭いを取るようですが、私は時間の関係で、霜ふり後に流水に20分ほどさらし、じっくりと地抜きして臭みの元を取りました。
■ ダシはカツオでじっくりと ■
流水でさらしている間に濃厚なカツオ出しを取ります。出来れば厚切りの鰹節でしっかりと煮出します。好みで干し椎茸などを足しても良いです。煮込み用ですから、カツオの香は飛んでしまうので、一番出汁の取り方ではなく、じっくりと時間を掛けて味を引き出します。
漉したカツオ出汁を強火で沸かし、中身を入れます。味付けは少なめの醤油とタップリの泡盛でしました。あくを取りたいので先ずは野菜も入れないで中身だけで煮込みます。
あくはそれほど出ませんが、丁寧に浮いてくる脂とあくをとります。
あくが出なくなったところで大根と生姜をいれます。大根が煮えた時点で醤油で味を整えますが、煮込む間に味が濃くなるので、この時点であまり濃くしないのがコツです。中身が柔らかくなれば出来上がりです。
最後に厚目の輪切りのネギと七味を掛けて熱々を頂きましたが、みそ仕立ての煮込みとは一味違い、中身のそれぞれの味わいがわかります。翌日も頂きましたが、やはり、翌日の方がずっと味が染みて美味しくなっていました。
■ 沖縄から取り寄せる ■
1kg たったの1000円です。たくさん作っておすそ分けも良いですね。ポイントは臭みを完全に取ってから調理することだけです。もちろん味付けは味噌でも美味しいはずです。私は砂糖を入れませんでしたが、砂糖をいれて甘辛にしても美味しいと思います。
内臓まで食べ尽くしてこそ、牛も成仏しますね。沖縄の伝統食文化に敬礼です。
今回の企画に協力いただいたのは、沖縄県那覇市の合資会社共栄ミートさんです。
なお、ご紹介したモモ肉はサイトでは販売していませんので、購入希望の場合は電話で共栄ミートさんにご相談ください。ある程度の量があれば購入できます。他にも石垣牛のハンバーグなどもあります。
■ お取り寄せData ■
◆合資会社 共栄ミート
◆価格 もも:3600円/kg ヒレ、サーロイン:各一枚、2300円
◆問い合わせ:電話098-862-2600/共栄ミート