リメイクイタリアンvol.4 固くなったパンを使って　トスカーナのトマトのパッパ

リメイクイタリアン　vol.4

Pappa col Pomodoro
トマトのパッパ

トスカーナを代表する郷土料理

トスカーナ州はフィレンツェ出身の友人のフェデリーカが、我が家へランチをしに遊びにきた時のこと。夫が、「トマトのパッパってよく食べていたの？」　という質問をしたことがありました。
その前日の夜、固くなってしまったパンがあったことと、疲れていたこともあり、トマトのパッパを作る決意をした私を見たピエモンテ出身の夫には、このお料理が理解できなかった様です。夫にとってははじめてのトスカーナの郷土料理を東京でいただく。

そしてその夫の質問に、フェデリーカは、「トマトのパッパがあれば、（日本での）どんな予定を無視してでもそこへ飛んでいくわ！」　との返答。夫はこの言葉に大満足。 さらには、我が家でトマトのパッパを作る時はフェデリーカに声をかけなければならなくなってしまいました。

ということでトマトのパッパはトスカーナ州を代表する郷土料理。いわゆるトスカーナのマンマの味とも言われています。
パッパはイタリア語で「おじや」という意味をし、これは固くなったパンをトマトのスープで煮とかしていただくものです。
但し、「おじや」とはいっても、離乳食として赤ちゃん（１歳以下）やお年寄りには、オススメできないお料理ですが、食べ方の工夫を覚えると、様々な美味しいパッパを作ることができるでしょう。

固くなってしまったパンは、捨てずに料理の主人公へ導くパッパをご紹介します。

◆材料◆ 固くなったパン………バケット1/3本程度 トマトホール缶………１缶 鶏のブロード…………600cc ニンニク………………１片 EXVオリーブオイル…大さじ2杯強 塩………………………適量 バジリコ葉……………4～5枚 EXVオリーブオイル…適宜 バジリコの葉…………適宜 パルミジャーノ………適量（すりおろし） ◆作り方◆ １．深めの厚底鍋にオリーブオイルとニンニクを入れ、中火にかけ、香りが出たらトマトホールを注ぎ入れ、トマトを崩しながら煮る。 2．トマトの色がオレンジ色になったら、ブロードを注ぎ、ひと煮立ちさせたら、固くなったパンをちぎって入れ、バジリコの葉とともにパンにスープを吸わせるように煮込む。 3．塩で味を整えたら、ニンニクを取り除き、ミキサー（もしくはバーミックス）でペースト状にし、皿に盛り、オリーブオイルをまわしかけ、バジリコの葉を飾り、パルミジャーノを添える。 ◆ワンポイント◆ ・普通のトマトを使用する場合、水気が多いので、皮を湯むきし、種を取り除いて使います。 ・ブロードの量は、パンがヒタヒタに隠れる程度が適量です。鍋の大きさによります。 ・ブロードはこちらのチキンのブロードがおすすめですが、野菜のブロードやチキンコンソメでも代用ができます。 ・固くなったパンでフランスパンなどのバケットを使う場合は、パンが塩を多めに含んでいるので、味を整える塩は控えめにします。 ・離乳食として1才以下の幼児、高齢者へはイタリアでは食べるのを控える様、イタリアでは指示されていますが、トマトを抜いたものであれば、単純なパンのおじやということで美味しくお召し上がりいただけます。