イタリアンの基本/イタリアンの基本関連情報

食卓で旅するイタリア紀行vol.3~シチリア州~ シチリア風イワシのパスタ(2ページ目)

シンプルなパスタと思ったら大間違い! シチリアならではの独特な味わいが楽しめるレシピで、食卓を一層盛り上げてくれることうけあいです。

沈 唱瑛

執筆者:沈 唱瑛

イタリアンの基本ガイド


太陽の恵みを受けたシチリア
Tutto il resto e` in Ombra

いわずと知れたシチリアは、歴史を辿れば様々な国に支配されてきました。というのもシチリアの別名は「肥沃の大地」。そう「土」が良いのです。地中海を囲む、全ての国々がシチリアを欲しがりました。ゆえ、シチリアには様々な文化を垣間見ることができます。例えば、シラクーザのギリシャの遺跡。この辺りは、昔ギリシャ・ローマ時代の頃はギリシャに属しており、ギリシャの劇場などが今での遺跡として残されています。そしてなんと、今でも劇場として使われているのです。そして有名なギリシャ神殿のようなアグリジェント。ここはなんとギリシャのパルテノン神殿よりも前に建てられたとか(写真はセリヌンテで、アグリジェントではありません)。

ギリシャだけではありません。アラブの文化に支配されていたところもあります。ゆえに多くの教会は“モザイク様式”であったりし、非常に豪華絢爛なモザイクを目にすることもできます。

このようにして、シチリアはいろいろな文化が混ざっているということで、シチリアの首都パレルモにはQuattro Canti(クァットロ・カンティ)という交差点があります。そうこれが意味するのは、4つの文化が出会った交差点という意味で、シチリアを指すのです。


これだけ国々が支配し、シチリアを欲しがったというシチリアは、シチリアであることを誇り、彼等は自分達を「イタリア人」とはいわず「シチリア人」であると主張します。シチリアの名文句Tutto il resto e` in Ombra(シチリア以外の場所は陰の下)といい、つまりはシチリアだけが太陽の恵みを受けていると自負しているのです。
逆にイタリア半島の人々は“珍しくも”「シチリアは確かに素晴らしい土地である」と認めた上、やはり皮肉り「が! 残念なことにシチリア人がいる」 といいます。これはイタリア人ならではのお国自慢が邪魔するわけですが…。

さて、地中海の交差点シチリア。肥沃な大地のおかげで、海の幸、山の恵み、ブドウの栽培、野菜、オリーブ、レモン、オレンジ…味覚の全てがここでそろえられます。

シチリア、一度旅するとまた来たくなる、不思議な場所。イタリアですがイタリアではない、どこか異国を感じさせる魅力的なところです。

:食で旅するイタリアンテーブルジャーニー BACK NUMBER:
チーズフォンデュ@ピエモンテ
サルティンボッカ@ローマ

 

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます