ピエモンテ州とヴァッレダオスタの美味しい関係?
日本で「チーズフォンデュ」というと、スイスをイメージしがちですが、イタリアにもチーズフォンデュがあります。それが、ヴァッレ・ダオスタ州(Valle
d'Aosta)の名産フォンティーナチーズを使ったフォンデュータなのです。
アオスタは特異な地域で、フランスとスイスに国境を接し、街の通りには「フランス語」と「イタリア語」で標識が書かれていたりと、イタリアでもちょっと違うイタリアを感じることができます。
こと有名なのがあのモンブラン(Monte Bianco:モンテビアンコ)。お菓子でも有名ですが、もちろん山のことです。そしてスキー場リゾートのクールマイヨール(Courmayeu)!
アオスタは実はイタリアで一番小さな州。でも特別州として自治権のある州でもあります。というのも、こういった近隣の外国との交渉の場であったり、近隣国の人々がイタリアへ入るための入口、つまり関所的役割をする場所でもあったので、非常に栄えていました。
しかし敵国に入られることもあるので、その見張りは非常に責任が重いです。そんなこともあり、アオスタには小さなお城がたくさん見られるのです。
さて、チーズフォンデュですが、こういった地理条件もあり、ではスイスとイタリアどちらがオリジナル? となりますが、オリジナルはスイスのようです。スイスは御存知の通り、グリュニエールチーズ、エメンタールチーズを使用し、フォンデュにします。
一方、イタリアはこのアオスタの特産チーズフォンティーナを使用してフォンデュに仕立てていきます。
フォンティーナチーズは、ナッツの香のする独特の風味を持ちますが、とろけると非常にまろやかな味わいになります。
そしてこのフォンデュータですが、アオスタよりも有名なのがピエモンテ州。さすがアオスタと州境をするだけあり、このフォンティーナの特性を上手く生かし、ピエモンテ州の代表素材「トリュフ」と組み合わせれば、極上のチーズフォンデュができあがるわけです。
イタリアではアオスタの人は「いまいちやる気がない」と言われています。というのも州が非常に豊かで、生活に切迫感がないということ。もしアオスタの人に「商売のセンス」や「やる気」があれば、極上のグルメ州となったのにとも言われています。
北イタリア名物「ニョッキ」も、アオスタのジャガイモで作るのが一番と言われていますが、アオスタの人々に「生産に対するやる気」があまり見られないので、知られないとか。でもイタリア料理を愛する人々には「アオスタのジャガイモ」もとっても有名なのです。
それと同じくフォンデュータも、アオスタでも食べられますが、代表的料理としてあげているのがピエモンテ州。
ということでチーズはアオスタですが、料理はピエモンテ州と、2つの州の味覚を堪能できる料理がフォンデュータなわけです。
次回のイタリア旅行には是非、ピエモンテ州経由でアオスタへいかれてはいかがですか?
北ピエモンテからは車で1時間弱で行かれます。
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