2001年、illy(イリー)社のエスプレッソカップは、ニューヨークのダンスシーンを賑わせた人気バンドTalking Heads(トーキングヘッズ)のデビット・バーン(David Byrne)氏がデザインしたものです。宇宙人をモチーフにした可愛いカップで、4セットそれぞれ眼の色と形が異なり、把手も二つあり、耳のようでとってもキュートな仕上がりです。さらに、宇宙船をモチーフにしたシュガーポットは本当にキッチュなデザインで、コレクターにはたまらないでしょう。
IllyはイタリアでのシェアがNo.1のコーヒーメーカーで、そのエスプレッソカップのセットはコレクションできるように毎年デザイナーを変えています。デビット・バーンにとっては2回目のデザインですが、他にはもうすでに終売になってしまいましが、イタリアが誇る映画監督フランシス・コッポラがデザインしたものもあります。すべてイタリアならではのキュートでクールなカップです。
コレクションカップはillyだけではありません。他にも、イタリアの家電メーカーであるDeLonghi 社にもあります。こちらではトニャーナのカップを取扱っており、シンプルなデロンギのロゴマーク入りのカップから、ミレニアムヒストリーと題した、コレクション製の高いものまであります。こちらは、DeLonghi社の家電エスプレッソマシーンを購入すると、その申込書がもれなくついてきます。他にも、コーヒーMusetti(ムゼッティ)も同時に購入することができます。
さて、どちらのエスプレッソカップもデザイン性が高いので、コレクションに向いていますが、元来、イタリアの商品は実用的であり、かつデザインにたけています。最近、人気を集めているのが、人型がかわいらしいワインオープナーで有名なALESSI社(アレッシー)ですね。こちらも、実用的な商品に、デザインという遊びを加えることによって、インテリアになることを目指しています。実際、実用化したいものをデザイナーに種別し、その作品が商品化されているようです。もちろんワインオープナーだけではありません。直火型エスプレッソポットや塩・胡椒ミル、ハケなど、様々な実用カトラリーがデザイナーによって、新しい形でデビューしています。
デザイナーが従来型の形に現代の息吹きと感性を注ぎ込み、機能は変わらずにして、どこか新しさを感じられることは、イタリアならではではないでしょうか。とくにエスプレッソカップなど、イタリアでは日常的なカトラリーに飽きを感じさせないためにも、様々なデザイン豊かなものを揃えています。ともあれ、毎日顔を合わせるカトラリーだからこそ、遊び心というか、飽きのこないものであり、そしてお気に入りでありたいですよね。また、小さくぽっくりとした形のエスプレッソカップは、並べると結構絵になったりします。