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酒田のラーメン 自家製麺率70%

蕎麦と米とサクランボの山形県で、もう一つ誇るものは、全国で自家製麺率がトップのラーメン!「麺」と、港町酒田の特徴を活かした煮干し・昆布の「海鮮ダシ」と「美味しい水」が三位一体に!

大石 寿子

執筆者:大石 寿子

毎日のお助けレシピガイド

山形県酒田市のラーメン店は日本一自家製麺使用率が高いのだそうです。友人である「味好」のオヤジさん(お兄さん?)は、さまざまな食材を練り込んだ麺を作っては(なかば強引に)試食させてくれます。絹、海藻、ほうれん草、ベに花、モロヘイヤ、山芋、薬草、ひまわりの花粉、熊笹の粉、絹、(きぬ?まさか虫?!)エトセトラ。

[山形は蕎麦が有名ですが、それは内陸地方であって、庄内地方は有数の米の産地であり、蕎麦というより米です。あまりにも”米”の産地なものだから、この土地でおにぎり屋を開店した20数年前は「にぎりめしなんかお金だしてまで買うもんか」と陰口を叩かれたものです。店の前で「おにぎり買ってー!」とせがむ子供に、「そんなもの家に帰って握ってやる」と、泣く子の手を引っ張って行くお母さんもいました。全国におにぎり店やほかほか弁当系のチェーン店が濫立し出すのは、もう少し後のことです]

酒田のラーメンの特徴は、その店毎に工夫された自家製麺の他に、スープに魚ダシを使う点があげられます。トンコツや鶏ガラベースのスープにかつお節、煮ぼし、飛び魚(あごだし)昆布等を加え、各店独自の味を作っています。一歩踏み入れただけで、ああこの店は魚出汁が強いなと解ります。あまりにも魚出汁が勝ち過ぎて魚嫌いな者にはちょっと辛いラーメン店も、中にはあります。どっちにしても自然出汁だけで勝負しようとするのは並み大抵の苦労ではないようです。

[昔アルバイトしたラーメン店では、小さじ山盛り一杯づつの化学調味料を丼鉢に入れてました。ラーメンを一杯食べる毎に、化学調味料を小さじ山盛り一杯食べさせられたんじゃたまったものではありません。旨い!と評判の店で、私も美味しい美味しいと食べてたわけですから私の舌も大した事ないです。あっ、でも、十代の頃の話ですから。]

数年前、大々的に売り出されたメニューに魚醤ラーメンなるものがありました---魚醤とは秋田のしょっつるの素、タイ料理のナンプラ-などの仲間で魚を発酵させて作るとてもクセのある調味料のことです。----
飛島産の最高級飛び魚を原料に、試行錯誤を重ね、満を持して発売されたのですが、今もメニューにある店は数軒のみになってしまいました。

<韓国ブームの今ならきっと受け入れられるはず。早すぎて時代がついて来れなかったのかも知れない。遠い昔、ロックの永ちゃん(と言うよりキャロル)が出入り禁止になった県なのだもの。ジュリ-にもショーケンにも逢う事が許されなかったし。コンサート会場の前で学校の先生が見張っていて、やって来る生徒を追い返したという、哀しい歴史のある街なのです。>

「酒田のラーメン」一度食べにいらして下さいナ、蕎麦ガイドさんお薦めの山形蕎麦街道をちょっと途中下車して。”ラーメン好き千里を走る”と言いますもの(言わない?)是非お出で下さい。「料理のABC」を見たと言って下さればきっと、たぶん、もしかして、運がよければ、何かサービスしてくれるかも知れません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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