ところがそのスーパーのお兄さんが、最近、めっきり腕をあげて綺麗なアラに仕上げるようになってしまいました。ほんとうに残念です。【ブリカマの塩焼き】
煮物は母から子へと代々受け継がれていくお料理なので、案外大雑把に作ってしまってるのではないでしょうか。そんな方にも、今一度、プロの板前さんや料理の先生のレシピどおり、忠実に作ってみることをお薦めします。
ブリ大根なら、大根の面取り、隠し包丁、下茹で、アラの下ごしらえ等をひとつひとつ丁寧にこなし、じっくり煮含めてみましょう。最後に強火で照りを出す事をお忘れなく。ほぅら、ほっこりつやつやのブリ大根が湯気の向こうで見え隠れ!
一度覚えたおいしさは、たとえ腕が忘れても舌が覚えていますから、「ま、いいや」と作らないで、<そんな日があってもいいけれど>時々はレシピを読み直して作り方の再確認しましょう。私もそうしてます。
たとえば茶わん蒸しの卵と出し汁の割合は1:3玉子豆腐は1:1などと呪文のように唱えて暮らしてる訳ではないのですから忘れて当たり前!
鯛のアラなら潮汁。昆布出しのきいた塩味のお吸い物仕立て。立派な身などなくても骨から旨味成分がじわっと出て絶品です。
そうそう、アラを煮出して魚のフォンを作るという手もあります。
日本料理の煮物の種類
●煮汁を多くして、薄味でふくませたもの(ふくめ煮・つけ煮・白煮・おろし煮)
●煮汁を少なくして、煮ふくめるもの(うま煮・煮しめ・照り煮・煮つけ)
●煮る前に一度火を通してから煮るもの(いため煮・揚げ煮・煮浸し)
煮物を上手に仕上げるのは、実は至難の技で、火加減、水加減がとても大きく作用します。<ご飯も煮物の一種です> 火が強すぎて材料がおどり、くずれたり、汁がにごったり、味がしみ込まず焦げたり、半煮えになったり、又、煮汁が多すぎて汁を捨ててしまえば、栄養的な損失が大きくなります。
とろ火、中火、強火、火を消したあとのむらしも上手に組み合わせて初めて、おいしい料理ができあがるのです。(同じ魚料理にしても煮つけは強火で短時間に煮あげる。含め煮、佃煮、フォンなどはゆっくりとろ火で煮あげる)
次に調味のしかたですが、調味料が食品の内部に早くはいる順序は,1.塩(醤油)2.砂糖ですから、砂糖から入れるということになります。ついで塩、香気のある醤油、みそ、酢は後から入れてあまり煮込まないのが一般的とされています。ただ、煮崩れしやすいかぼちゃ等はあらかじめ小量の塩を入れて煮たほう仕上がりが綺麗ですから、どうぞ、好い塩梅に.....