―◇ INDEX ◇―

■ 七夕にまつわる『食』
■ 『索餅』の謎を追いかける
■ 夏の風物詩を楽しむ(P2)
 レシピ:冷麦の冷製パスタ風



七夕にまつわる『食』


夏の代表的な行事の1つ、七夕(たなばた)。織姫と彦星のロマンティックな伝説や、笹に短冊を掲げることはよく知られていますが、「食」という視点から見るとどんな歴史があるのでしょうか。

昔の文献を探ってみましょう。『年中重宝記』や『年中行事抄』をのぞいてみると、7月7日の七夕には「索餅」を食べる、という記述が残っています。

この由来は、中国の故事によるもの。古代中国、高辛氏の子供が7月7日に亡くなり、それが霊鬼神となり、人々に瘧(おこり:熱病)を流行らせたのだそうです。その子が生前好きだった「索餅」を供えて祟りを静めたことから、病よけとして索餅を食べる習慣が広まった、ということです。

また、七夕は畑作の収穫祭という意味を持ち、麦の実りや、ナス・キュウリといった夏野菜の成熟を祝い、神とその恵みに感謝する行事でもあったのだそうです。


『索餅』の謎を探る


ところで、先ほどから何度も登場する「索餅」とは一体何か?という疑問が生じます。

中国の古い文献には、この索餅という文字がよく見られますが、実際どんな食べ物なのかというと、詳しい記述がなかなか見つからない。ただ、昔「餅」と表された食べ物がのちに「麺」と書かれるようになったということから、麺類だろうということが推測されます。

日本最古の漢和字書『新撰字鏡』には、索餅に「牟義縄(むぎなわ)」という和名をしめす文字がみられます。ちなみに「むぎ」という言葉には植物の麦を示すほか、「小麦粉でつくった麺」という意味も持つ、とのこと。ということは、麺類には間違いないのか?

研究者の中には、お菓子だという説を唱える方もいらっしゃいますが、「索餅」が現在の『素麺(そうめん)』にあたる、という説が現在では多いようです。ただし、はっきりとした結論が出ていないのが実状のようです。

  ■ 夏の風物詩を楽しむ(P2)
    ■ レシピ:冷麦の冷製パスタ風(P3)