春を迎える縁起花

フクジュソウ
フクジュソウの花
早春に黄色のかわいい花を咲かせる、「福寿草」。その明るい花色と縁起の良い名前から、お正月用の小盆栽や鉢物としても人気がある植物です。

福寿草の学名「Adonis(アドニス)」は、ギリシア神話に登場する美と愛の女神アフロディーテに愛された美少年の名前です。不幸なことに、彼は狩猟の最中に猪に突かれて死んでしまい、その傷から流れ出た血から生まれたとされる花が「Adonis」と言われています。

ここで、「あれ?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。アドニスの血から生まれたのに、黄色の花?と。実はこのAdonis、その後ろにつく「amurensis」に表わされるように、アムール地方に咲く血のような赤い花を指しているのです。日本では山吹色の花がおなじみなので、これではピンとこないはずですよね。

では和名の由来は?というと、こちらは旧暦の正月(二月)頃に開花することから幸福と長寿を表す「福寿」の名を当てたものとか。難を転ずるといわれる南天などともに縁起ものとされ、「元日草(がんじつそう)」や「朔日草(ついたちそう)」という別名もあります。

フクジュソウ
お正月用に売り出されていたフクジュソウ
このように日本ではおめでたいものとされている植物が、ヨーロッパでは悲しい物語が秘められていたなんて、ちょっと意外ですね。またかわいらしい花姿をしていますが、その根茎には強い毒性を持っています。漢方薬として強心や利尿といった薬理効果もあるようですが、素人が手を出すべきでないことは言うまでもありません。
フクジュソウのデータ

フクジュソウのデータ



福寿草の仲間たち

前項で福寿草には赤い花が咲くものもあると述べましたが、この他にも白色、淡紅色、橙紅色、緑色、濃緑色など、品種により様々な花色のものがあります。また、花のほうも一重~三重、八重咲き、万重咲き、三段咲きなどいろいろあります。

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