春を迎える縁起花
フクジュソウの花 |
福寿草の学名「Adonis(アドニス)」は、ギリシア神話に登場する美と愛の女神アフロディーテに愛された美少年の名前です。不幸なことに、彼は狩猟の最中に猪に突かれて死んでしまい、その傷から流れ出た血から生まれたとされる花が「Adonis」と言われています。
ここで、「あれ?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。アドニスの血から生まれたのに、黄色の花?と。実はこのAdonis、その後ろにつく「amurensis」に表わされるように、アムール地方に咲く血のような赤い花を指しているのです。日本では山吹色の花がおなじみなので、これではピンとこないはずですよね。
では和名の由来は?というと、こちらは旧暦の正月(二月)頃に開花することから幸福と長寿を表す「福寿」の名を当てたものとか。難を転ずるといわれる南天などともに縁起ものとされ、「元日草(がんじつそう)」や「朔日草(ついたちそう)」という別名もあります。
お正月用に売り出されていたフクジュソウ |
フクジュソウのデータ
福寿草の仲間たち
前項で福寿草には赤い花が咲くものもあると述べましたが、この他にも白色、淡紅色、橙紅色、緑色、濃緑色など、品種により様々な花色のものがあります。また、花のほうも一重~三重、八重咲き、万重咲き、三段咲きなどいろいろあります。次ページは、福寿草の管理の仕方です。