部屋の最初から設置されているエアコンを使えば、面倒もなくて、ラクだし、購入するお金もかからずに済むと思うかもしれないけれど…
<一人暮らしの暖房器具 目次>
※ 値段の記載がありますが、あくまで目安です。機能やメーカーによって異なりますので、ご自身でよくご確認の上、お買い求めください。部屋全体が暖まるエアコンが部屋についているけれど……
暖房器具と言われたとき、「最初から部屋にエアコンがついているから、これで十分じゃないの?」と思うかもしれません。もちろんエアコンだけで足りることもあります。ただし、すでに設置されているものは、かなり古いものだったり、購入費用を安く抑えるために機能が劣ったものという場合があります。新しいエアコンは省エネ化されているものが多いですが、古いものは電気代が高くなったり、部屋が暖まりにくく効率が悪いことがよくあります。
ちなみに私が最初に一人暮らしをした部屋では古いエアコンが設置されていたため、エアコンで暖を取っていた冬場一ヶ月の電気代は7,000円でした。それをガスファンヒーターに代えたら、電気代が4,000円弱に。ガス代は1,500円ほど上がりましたが、約1,500円光熱費に節約できたことになります。
一人暮らしで、エアコンをつけない時期に比べて極端に電気代がかかる場合や、仕事や学校などでそれほど長く部屋にいないにも関わらず、電気代が高額になる場合は、暖房器具を見直してみるのがおすすめです。また、他の暖房器具と併用することで、部屋をより効率よく暖められる場合もあります。
暖房器具には、部屋全体を暖めるものと部屋や身体の一部を暖めるものが
暖房器具と一言で言っても、実際に電気屋さんに足を運んでみると、たくさんの種類がありますが、「部屋全体を暖めるもの」と「部屋や身体の一部を暖めるもの」に大きく二種類に分けられます。自分だけの一人暮らしの城。冬の季節も快適に過せるように、ぴったりの暖房器具を探してみましょう
そこで今回は、部屋全体を暖める暖房器具についてピックアップします。主暖房として使うもので、ワンルーム等の一人暮らし向けの部屋であれば、いずれかひとつあれば、足りることが多いです。ただし、部屋の広さや造り、地域や個人差によっては、スポット的な暖房器具を併用すると、より効果的に。多種多様な暖房器具が発売されていますが、その中でも一人暮らしが使いやすい主なものを紹介します。一人暮らしに合わせたメリット・デメリットもご紹介しますので、自分の生活スタイルと照らし合わせながら選んでみてくださいね。
部屋全体を温める暖房器具:エアコン
部屋全体を温める暖房器具:エアコンア【画像提供】Amazon アイリスオーヤマ エアコン 6畳用
○夏は冷房として使える
一人暮らしの部屋は狭いため、少しでもモノが減らしたいものです。他の暖房器具と違って、冷房としても使えるのはエアコンだけ。これひとつで夏も冬もしのげるのは、一人暮らしにとって便利です。
○初期投資がかからない場合も
賃貸住宅の場合、入居時からエアコンが設置されていることが多いため、初期投資がかかりません。
△最新は省エネ、古いものは非省エネ
古いタイプのものは消費電力が大きく、他の暖房器具の方が経済的なことがあります。賃貸住宅ではもとからある設備を勝手に交換できません。最初から設置されていたエアコンを交換したい場合は大家さんや不動産会社に相談を。
最初から設置されておらず、自分で購入する場合は、価格が高くても、省エネタイプの最新機種を買った方が、長く使えば使うほどトクになります。
×すぐには暖まりにくい
稼働させてから、部屋全体が暖まるまでには少し時間がかかります。寒冷地や、とにかくすぐに暖まりたいという人には不向きです。
×乾燥しやすい
エアコン内部で空気を暖めて、それを吹き出すので、湿度が低くなり、乾燥しやすくなります。
×足元が冷えやすい
エアコンは上から吹き下ろしますが、暖かい空気は上へ上がりますので、足元までなかなか暖まらないことがあります。特に古いタイプのエアコンでは循環が悪く、顔や頭のあたりばかりが暑くなることも。あまりに寒い場合は、他の暖房器具との併用がおすすめ。
部屋全体を温める暖房器具:石油ファンヒーター
部屋全体を温める暖房器具:石油ファンヒーター【画像提供】Amazonコロナ 石油ファンヒーター
○すぐに暖まる
部屋全体がすぐに暖まり、パワーもあるため、特に寒い地域で多く利用されています。
△石油の値段に左右される
石油の値段は変動します。高騰したときには、電気代の方が安くなることがあります。
△賃貸住宅では禁止されていることがある
賃貸住宅の契約上、火事や一酸化炭素中毒等の防止のため、石油を使った暖房器具は使えないという規定がされていることもあります。購入前に確認を。
×エアコンに比べて、事故の危険がある
使用方法によっては、火傷や一酸化炭素中毒などの事故が起こるケースもあります。定期的に換気するなど、使用の際には、十分に注意を払う必要があります。
×給油が面倒
定期的に灯油を給油しなくてはいけません。灯油を購入する場所が近くにあるのか、どうやって運んでくるのか、考えておかなくてはいけません。
×ニオイが気になることも
最近のものは軽減されてきてはいますが、点火・消火のときに独特のニオイがあります。
×片付けるのが大変
灯油をきちんと処理してから片付けないと、長く使えなくなります。また、一人暮らしの部屋ではしまっておく場所も考慮する必要が。
部屋全体を温める暖房器具:ガスファンヒーター
部屋全体を温める暖房器具:ガスファンヒーター【画像提供】Amazonノーリツ ガスファンヒーター
○すぐに暖まる
部屋全体がすぐに暖まります。
△都市ガスなら経済的、プロパンなら高額に
ガスファンヒーターは電気と比べて経済的と言われていますが、地域によっては、ガス料金に大きな差があります。プロパンを使っている場合は高額になりがちなので、他の暖房器具を検討するのがおすすめ。
△賃貸住宅では禁止されていることがある
賃貸住宅の契約上、火事や一酸化炭素中毒等の防止のため、ガスを使った暖房器具は使えないという規定がされていることもあります。購入前に確認を。
×ガス栓がないと設置できない
ガスが使用できない部屋、また暖房を使いたい場所とガス栓が離れている場合は使えません。ただし、ホース等の工夫で離れた部屋でも設置できることもありますので、まずはガス会社に相談を。
×引越先によっては使えないことも
ガスファンヒーターは都市ガス用、プロパンガス用の二種類があります。引越先でガスの種類が変更になった場合、使用できなくなることがあります。また、オール電化の物件であれば、当然使えません。
部屋全体を温める暖房器具:オイルヒーター
部屋全体を温める暖房器具:オイルヒーター【画像提供】Amazon DeLonghi オイル・ラジエターヒーター
■価格:1万5千円程度~(6~8畳用)
○空気を汚さず、心地よいあたたかさ
他の暖房器具と違い、温風を出して暖めるのではなく、容器内の難燃性の油を電気で暖め、循環させるため、空気を汚さず、自然な穏やかな暖かさが部屋全体にじんわり広がります。温風が当たる場所だけが極端に暑いといったこともありません。
○音が静か
温風を排出するものではないので、ほとんど運転音がしません。
○デザインがオシャレ
インテリアに馴染みやすい、レトロなデザインを好む人も多いです。
△暖かさに不足があることも
一気に暖めることができず、広さや建物の断熱性によっては、暖かさが十分ではないこともあります。使用の際に定められた広さや建物の構造(木造・鉄筋など)などを守らないと、かえって性能を活かせないことも。その場合、その他のスポット的な暖房器具と併用して、効果的に使うことも考えられます。
△電気代が高くなることも
最近のものは省エネ化が計られていますが、最新型のエアコンに比べると、消費電力が高いため、電気代が高くなることがあります。
×すぐには暖まらない
部屋全体がじんわりと熱が広がるため、ファンヒーターのようには、すぐに部屋が暖まりません。
地域や生活スタイル、好み、省エネなどによっても、最適な暖房は変わってきます。また、賃貸住宅では使える暖房器具が限られていることもあります。禁止事項などが書かれている契約書等をよく確認してから、購入するようにしましょう。
また、電器店などで、実際にその温かさを体験できる場合もありますので、一度試してから購入するのもおすすめです。
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