一人暮らし/一人暮らしの冷凍保存術

葉野菜・根菜・キノコ類の冷凍保存

一人暮らしで不足しがちな野菜。食べた方がいいことはわかっていても、大きな野菜やたくさん入ったパックは最後まで食べきれず困ることも…。食材をムダにしないための、葉野菜・根菜・キノコ類の冷凍テクニックを紹介します。

河野 真希

執筆者:河野 真希

一人暮らし・簡単一汁三菜レシピガイド

外食やコンビニ弁当では不足しがちな野菜。たくさん食べた方が身体にいいことはわかっているけれど、一人暮らしではせっかく買っても、最後まで食べきれずに悪くしてしまうことも。つい手を出すのを控えてしまうこともあるのではないでしょうか。
葉野菜、青菜の冷凍や根菜類の冷凍など

たくさん買った方が安いけど、一人暮らしでは食べきれない…。毎日自炊ができないから、野菜が余ってしまう…。そんなときに覚えておきたい冷凍術です

例えば、大根一本丸ごと買ってしまったとき。トマトのパックに3個も入っていたとき。野菜は時期によってはとても足が早く、できるだけ早く食べ切ってしまいたいもの。そんなときに使えるのが冷凍保存です。ただし、野菜の場合、買ってきたままで冷凍すると、美味しく食べられないことがあります。

そこで今回は、ほうれん草やキャベツなどの葉野菜、じゃがいもや大根などの根菜類、またキノコ類の冷凍保存テクニックをお届けします。
   

野菜を冷凍するときは、一手間が大事

野菜の冷凍保存

生の野菜は丸のまま冷凍するのは難しい。細かく切ったり、一度茹でたり、一手間かけると、美味しく使いやすく保存することができます

野菜はそのまま冷凍するのは向いていない食材と言われています。水分が多く含まれる野菜は、冷凍すると中の水分が凍ってしまい、解凍したときにその水分が一緒に流れ出して、味や質を変化させてしまうことがあるからです。

肉や魚などは生のまま冷凍したあとに解凍すれば、冷凍前とほぼ同じ状態に戻り、お刺身などはそのままでも食べることができます。でも、生のまま食べることの多い野菜を冷凍後解凍すると、別の食感になってしまうことが多いです。冷凍した野菜を美味しく食べるためには、加熱調理したり、刻んだり、すりおろしたりするのがおすすめ。もしくは、凍ったまま調理することで、食感の変化を少なくすることができます。

この記事では野菜を下処理してから冷凍する方法をご紹介します。その一手間がちょっと面倒かもしれませんが、これを覚えておくと、食材を無駄にしてガッカリすることもなくなり、節約にも◎。また、半調理の状態で冷凍しておけば、あとがラクになるので、忙しいときにも便利です(野菜を生のまま冷凍する方法については「お芋も冷凍可能!?根菜類の冷凍保存方法を探れ」をご覧ください)。

また、野菜を調理するときは、凍ったまま、炒めたり煮たりするのがおすすめです。完全に解凍をすると、水分が出てしまい、旨みも栄養も一緒に流れてしまいます。解凍後そのまま食べるような食材であれば、電子レンジで短時間加熱し、手早く解凍するといいでしょう。
 

葉野菜の冷凍&解凍方法

ほうれん草や小松菜などの葉野菜は、いったん茹でてから冷凍するのが基本です。解凍すれば、そのまま、おひたしや炒め物などに使えて、調理時間が短縮できます。茹でるときは、その後電子レンジでの解凍や調理のことも考えて、ややかためにしておくのが美味しく冷凍するコツです。ここでは小松菜を例に紹介します。
 
葉野菜の冷凍保存

茹でる

1.
小松菜をかために茹でます。電子レンジで加熱でもOK。
 
葉野菜の冷凍保存

水気をしっかりしぼる

2.
使いやすい量に小分けし、しっかりと水分を絞ります。
 
葉野菜の冷凍保存

ラップでつつむ

3.
ラップで包みます。
 
葉野菜の冷凍保存

フリーザーバッグへ入れて冷凍

4. フリーザーバッグに入れて、空気が入らないようにしてから冷凍します。
 
■ほうれん草・小松菜・青梗菜
葉野菜の冷凍保存

ほうれん草などの葉野菜は茹でてから冷凍。小分けにしておくと使いやすいです


茹でてから小分けにして冷凍します。おひたしや炒め物などにするときは電子レンジで解凍してから、味噌汁やスープなどにするときは凍ったまま入れて調理します。

■キャベツ・白菜
使いやすい大きさに切り、茹でてから小分けにして冷凍します。 炒め物などにするときは電子レンジで解凍してから、味噌汁やスープ、煮込み料理にするなら凍ったまま入れて調理します。
 
■ブロッコリー
ブロッコリーの冷凍保存

汁物や煮込み料理などにするときは、凍ったまま使うことができます

 
小房に切り分け、茹でてから冷凍します。 サラダや炒め物などにするときは電子レンジで解凍してから、スープや煮込み料理にするなら凍ったまま入れて調理します。

■セロリ・レタス
水分が多いため、解凍するとベチャベチャになってしまうため、冷凍に向きません。そのままスープなどにすることはできますが、元のシャキッとした食感はありません。
 

根菜の冷凍&解凍方法

菜の場合もいったん茹でるなどの調理をしてから冷凍しますが、じゃがいもなどの芋類は茹でただけでは解凍とともに水分が抜けて、食感が悪くなることが多いです。さらに、つぶす・すりおろすなど組織を細かくしておくと、味を落とさずに食べ切ることができます。ここではじゃがいもを例に紹介します。
 
根菜の冷凍保存

茹でる、もしくは蒸す

1.
じゃがいもを茹でます。電子レンジで加熱したり、蒸したりしてもOK。
 
根菜の冷凍保存

つぶす

2.
しっかりとつぶし、マッシュポテトにします。
 
根菜の冷凍保存

ラップでつつむ

3.
小分けして、ラップで包みます。
 
根菜の冷凍保存

フリーザーバッグへ入れて冷凍

4.
フリーザーバッグに入れて、空気が入らないようにしてから冷凍します。
 
■じゃがいも・里芋・サツマイモ・かぼちゃ
芋類の冷凍保存

芋類やかぼちゃはつぶしてから冷凍します。コロッケやサラダにも使いやすい


茹でたあとに、つぶしてから小分けにして冷凍します。 電子レンジで解凍してから、コロッケ、サラダ、ディップなどに調理します。

■山芋
すりおろしてから小分けにして冷凍。とろろとして食べるときは、冷蔵庫や常温で解凍します。揚げ物にするときは一口大に丸めておいて、凍ったまま揚げます。
 
■大根
大根の冷凍保存

大根おろしにして冷凍します。解凍してそのまま食べたり、煮込み料理にしたりします


すりおろして小分けにして冷凍します。大根おろしとして食べるときは、冷蔵庫や常温で解凍します。煮込み料理などに使うときは、凍ったまま調理することもできます。

 
にんじんの冷凍保存

にんじんは使いやすい大きさに切って、茹でてから冷凍します

■にんじん
にんじんは使いやすい大きさに切って、茹でてから冷凍します

輪切りやいちょう切りなど小さめに切り、茹でてから小分けにして冷凍。炒め物などにするときは電子レンジで解凍してから、味噌汁やスープ、煮込み料理にするときは凍ったまま調理します。

■玉ねぎ
みじん切りにし、炒めてから小分けにして冷凍。ハンバーグや炒め物などにするときは電子レンジで解凍してから、味噌汁やスープ、煮込み料理にするときは凍ったまま調理します。

■ごぼう
ごぼうはささがきや乱切り、千切りなど使いやすい大きさに切り、アク抜きをしたあと、そのまま冷凍可能です。味噌汁や煮物、炒め物など、調理するときは凍ったまま使います。

■たけのこ
水煮を冷凍すると、解凍したときにスカスカした繊維だけになるため、冷凍に向きません。ただし、炊き込みご飯など、細かく刻んで、他の具材と一緒に冷凍すれば、食感の悪さもあまり気になりません。
 

キノコの冷凍&解凍方法

キノコ類の冷凍保存

長く置いておくと、色が変わったりして、傷みやすいキノコ。そのまま手軽に冷凍できるので、安いときに買いだめするのも◎

キノコ類は、基本的に生のまま、冷凍保存することができます。石づきを取り除き、食べやすい大きさに分けてから、ラップに包んだ上でフリーザーバックに入れて、冷凍します。ポイントは洗わないこと。汚れが気になるときは、濡らしたキッチンペーパーで軽く拭く程度にしてください。キノコは水につけると旨みが逃げてしまいがちですが、特に冷凍すると解凍されたときにベチャッとしやすくなります。

料理するときは、凍ったまま、スープや炒め物などに使ってください。自然解凍や電子レンジで解凍すると、水分が出てしまい、キノコの食感が残りにくくなります。



ひと手間かかりますが、野菜を上手に冷凍できるようになると、心を痛めて捨てることも減って、新しい料理にも挑戦してみる意欲が湧くかもしれません。一人暮らしだからこそ身につけておくと助かるテクニックです。

上手に活用できるようになると、自炊もぐんと楽になりますよ。毎日は難しい人でも少しずつ挑戦してみてくださいね。

その他の食品の冷凍保存方法は、『冷凍保存で美味しいひとりご飯』『ラクチン&美味しい冷凍保存 お肉編』『ラクチン&美味しい冷凍保存 野菜編その2』『ラクチン&美味しい冷凍保存 魚介編』『お米・パン・パスタ・麺の冷凍保存』『ラクチン&美味しい冷凍保存 製品編』『お芋も冷凍可能!?根菜類の冷凍保存方法を探れ』にまとめてあります。そのまま冷凍できるもの、また一手間加えて冷凍するといいものなど、一人暮らしの食事がもっとラクに美味しくするヒントをお届けしています。 併せてご覧ください。
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