一人暮らし

賃貸用語解説:「保証金」「敷引き」とは?(2ページ目)

初めて部屋を借りる人にとっては、特に馴染みの薄い賃貸用語。契約をするときに戸惑うことのないようにしたいものですね。今回は、主に関西地域で使用されている用語「保証金・敷引き」について解説します。

河野 真希

執筆者:河野 真希

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● 「保証金・敷引き」って何?

敷引きの方式で契約を結んだ場合、礼金を支払うことはありません。ただし、これがいわゆる礼金と全く同等のものかというと、少し異なります。

敷引きには、家主への礼金としての意味も含みますが、部屋の原状回復のための修繕費に使われるものと考えられます。
そのため、修繕にかかった費用が敷引き額を超えようが超えまいが、部屋が綺麗か汚いかに関係なく、あらかじめ契約で定められた敷引き分は返還されることはありません
 
 
ただし、これは一般的に「そのような慣習で行われている」という曖昧な認識に基づくものであり、法的に定義されたものではないため、様々なトラブルの要因にもなっています。
 
  ● 敷引きによるトラブル・問題点は?

まず、敷引きという方式そのものについては、よほど不合理な内容でない限り、法的には契約の有効を認めています(ただし、個別のケースによる)。
そのため、その方式による契約をした借り主が他地域の敷金返還の例を知り、敷引きの返還の要求をしたとしても、認められないと考えられます。
 
また、敷引きによって、経過年数や過失に関係なく原状回復にかかる費用はその中から支払われることになっており、請求されないというのが一般的なのですが、別途クリーニング費用等を請求されることがあります。
契約書の中にも「クリーニング費用は借り主負担」といった記載があることもあり、そのことが「敷引きをした上にさらなる実費まで要求された」「しかし、契約書には書いてある」といったトラブルを引き起こすことにもつながっています。

通常は、部屋を「普通に使用した」ことによる汚損・破損は請求されないことになっていますが、その「普通に使用した」が借主・貸主の間で共通認識となっていないために起こるトラブルもあります。(参考:国土交通省による原状回復のガイドライン
 

 
その他地域でも賃貸契約の制度が少しずつ異なることがありますので、遠方に引越をする場合にはその地域の賃貸事情を知っておく必要があります。よく理解をして、トラブルに巻き込まれないように注意してくださいね

また、実際に敷金返還トラブルに巻き込まれてしまった体験談や、不安・疑問などをお寄せいただきたいと思います。こちらから投稿してください。

 
== 関連サイト ==
All About Japan[家を借りる]トラブル多発!退去する時の敷金清算
金返還に関するトラブルは年々増加傾向にあります。実際の裁判例、対処法などが書かれたサイトを集めたリンク集です。
All About Japan[家を借りる]礼金・敷金の慣習
部屋を借りるときに必要な敷金・礼金。でも、この慣習は地域によっても異なります。遠方へ引越をする際には、ぜひ一度確認しておいてくださいね。
 
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