お祭りは神さまと人。人と人との大切な信仰的、文化的なコミュニケーション。もっとも私たちが日本人らしく振る舞える空間。そしてそのお祭りの代名詞と言えば、「お神輿」。そのルーツを知り、日本人ならではのお神輿や山車を楽しみましょう!
 
 
 

お神輿とは神様の乗り物

お神輿とは神様の乗り物

お神輿とは神様の乗り物


神輿(みこし)を音読みで「しんよ」とも呼ばれています。神さまが神社からお出かけする時に乗る乗り物がお神輿。もともと宮廷貴族が乗っていたものから生まれたと考えられています。

またの呼び名を「輿」に「御」をつけたものが、「御輿(みこし)」。天皇さまなど高貴な人の乗り物を指しますが、神さまが乗られるのですから「お神輿」と呼ぶ方がふさわしいかもしれませんね。

■お神輿のルーツ
「奈良時代の中ごろ(天平勝宝元年・749年)九州の宇佐神宮(うさじんぐう)の八幡の神(やはたのかみ)が、東大寺の大仏建立に無事祈願というお告げを出しました。その八幡の神が遷座(移動)するのに紫色の輿(天皇、皇后の乗り物)が用いられた」と言われている話が有名です。この紫色の輿がそれ以後、お神輿として世の中に普及していったのでしょう。


 
神輿
ガイドの地元神社では、今年はふんどし姿のお兄ちゃんが出没。普段では許されない行為でも祭礼の期間にだけは許されるようです。

お神輿が街を練り歩く


日本の神さまは普段、神社に静かにおられると言うわけではありません。お祭りの時に出て来られ、自分の管轄地域の人々のもとへやってきて、お神輿に乗り、地域の災厄や穢(けが)れを吸収して清めます。そして終わればまた神社へお帰りになるのです。

※この練り歩きを神幸祭(しんこうさい)または神輿渡御(みこしとぎょ)と言います。

■練り歩きの手順
  • 宮出し〔出御(しゅつぎょ)〕→神社に鎮座している神さまの御霊をお御輿に移す。
  • 練り歩き〔渡御〕
  • お旅所(おたびしょ)〔御旅の宮、神輿宿、御仮屋〕→担ぎ手に酒などが振る舞われる休息所。お旅所の数は、そのお祭りの規模により、広い範囲になると多くなります。
  • 練り歩き〔渡御〕
  • 宮入り〔還御(かんぎょ)〕→神社へ戻ってこられます。最後にお神輿を高く差し上げ、お祓(はら)いを受けます。


    ■街の災いや災難、穢れを取り除く
    お神輿を荒々しく揺さぶって練り歩く姿をみかけます。またお御輿同士激しくぶつけ合ったりすることも。これは実は練り歩きの決まりごと。こうすることによって中に乗っている神さまの霊を刺激させ、パワーを維持させるのです。そしてその地域の災いや災難、穢れを取り除いてくれます。

    最後の宮入の時に地域によっては、海浜や川辺に行き、水の浄化力で厄災を洗い流したり、神輿落しといって階段からお神輿を落として壊すといったことが行われます。これは神輿についた災厄を祓(はら)って清めるためです。


     

    お神輿を上から見下ろしてはいけない


    今はあまりこだわらない方も多いかと思いますが、お神輿見物は、二階など高い位置から見下ろすなんて、とんでもないこと!場合によっては叱られることもありますからご注意を!なぜなら神さまが乗っているんですもの。見下ろすなんて神さまに失礼な行為。見物する場所に注意しましょう。

    またお神輿の担ぎ棒に乗ったりする光景を見かけることもありますが、神さまが乗っているお神輿なのですから、遠慮するのがマナー。しかし、中には「神さまとの一体感を表すのはよいこと」といった肯定的な考えも存在しています。

     
    神輿
    合図をして、調子をとり、元気づけ、応援すると言ったかけ声はお御輿にとって重要なことです。

    お神輿を担ぐかけ声は?


    お神輿を担ぐ時「わっしょい」と言うかけ声をよく耳にします。この「わっしょい」を大辞泉で調べてみると 「みこしなど重いものを大勢で担ぐときに発するかけ声。」または「 大勢の人が集まって気勢をあげるときに発する声。」とありました。

    「わっしょい」の語源として、「和を背負う」また「和一処」「和一緒意」となったそうです。最近ガイドの住む地元神社のお神輿では「わっしょい」と「セイヤ」どちらにするかちょっとした論争になっておりますが・・・。この「セイヤ」も最近の流行なのでしょうか。

    またこの「わっしょい」は韓国語の「ワッソイ(来ました)」や「エッサ(運ぶ)」古代ヘブライ語に通じると言う説もあります。ちなみに関東では「どっこい」「ソイヤ」「オリャ」などキリがありませんね。

    かけ声は、住む地域によってさまざまありますが、その中で一部をご紹介します。また同じ地域でも祭りの種類によっても違ってくるようです。
     
    神輿
     
    なんとまぁ、たくさんのかけ声があるものですね。

    担ぎ手だけでなく、周囲からも合いの手やかけ声と言うように見物する側からも一体となって、テンション高く、盛り上がるのが最高です。

     
    神輿
    山車の種類は、車輪が台車の内側についたり、外側についたり、また木製、金属製、数も四輪や六輪と地域によってその形は実にさまざまです。

    山車に乗って楽しもう


    ガイドが住む地域の神社では、毎年秋祭りにお神輿が出ます、その時に子ども神輿で使われるのが山車(だし)。ちょうどお神輿の台輪の下の部分になります。関西では、一般的に「壇尻(だんじり)」とも言われ、車を付けて動かし台の上では、子どもたちが和太鼓を叩いて乗り、街の中を練り歩きます。

    山車も地域によって呼び方はさまざま。中部地方では、曳山(ひきやま)、舁き山(かきやま)、担ぎ山、山鉾、鉾、山笠、祭車、御車、屋台など。また関西では「壇尻(だんじり)」と呼ばれています。


    お神輿は、その神社の神さまが守る土地に住んでいる氏子が担ぐものとされていますが、最近では、祭りに無関心な若者が少なくなく、また子どもたちも地域によっては減少気味。新たな担ぎ手を募っているところもあるのが実情です。日本の伝統文化がすたれないように、後世に残していきたいものです。
    <参考文献>
    なるほど!民俗学(PHP)
    神社入門(洋泉社)

    <関連リンク>
    世界や日本のお祭り情報
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