小動物/鳥類の飼い方

サザナミインコ特徴と羽の色

とても綺麗な小さなインコ、サザナミインコを紹介します。穏やかでフレンドリーな性格が特徴のサザナミインコは、誰からも好かれるペットです。サザナミインコはペアにするとオスとメスがとても仲がいいので、繁殖させて羽色の違う個体が新しく産まれるというのも、飼育の楽しみの一つです。

執筆者:村田 亜衣

<目次>

きっと、鳥に詳しい人から見れば「なんで知らないの、よく知られている種類だよ」と言われてしまうのでしょうが、知らないからこそ知る楽しみがあるんだと負けず嫌いに屁理屈をこね、私は初めて知る鳥さんに喜ばせてもらっております。そんな私が最近知った、サザナミインコさんを今回は紹介させていただきます。
 

サザナミインコの特徴

サザナミインコの特徴と飼育

「コバルト」カラーのサザナミインコさんです。頭のてっぺんの青(コバルトブルー)から身体の緑へと色が変わっていく、とても綺麗な羽を持っています。


体長が15cm前後の色鮮やかな小鳥、それがサザナミインコです。英名を「Lineolated parakeet」といい、南米の南メキシコからパナマ西部、コロンビア、ペルーなどに生息しています。

南米の山岳地帯というとチンチラを思い出してしまうのですが、サザナミインコもチンチラのように高い山岳地帯に生息しています。海抜1500m~2500mの熱帯雨林に生息し、海抜3000mの高地で確認されたこともあるそうです。標高の高い場所に生息していますので、気温の低さに抵抗力があり、驚くことに、野生のサザナミインコは「雪浴び」するらしいです(サザナミインコは、寒さよりも暑さに気を使う必要のある種類だそうです)。
 
サザナミインコ
こちらのカラーは「ルチノー」と呼ばれます。レモンイエローに白が少し入っています。
野生のサザナミインコは数羽から50羽ぐらいの群れを作って暮らしているそうです。サザナミインコはオスとメスでペアを作り、群れの中でもご夫婦で行動することが多いらしいです。サザナミインコをペアで飼っていらっしゃる方の中には、夫婦仲の良さをサザナミインコの魅力の1つとして挙げる方もいらっしゃるほどに、仲良し夫婦のようです。


 

繁殖によって羽の色が変わる

サザナミインコ
「幸せの青い鳥」は、サザナミインコのことなのかもしれません。
鳥を飼う楽しみの1つに、繁殖(巣引き)があると思います。どんなペットでも、大切に飼っているペットの子どもができるというのは、飼い主にとって喜ばしいことだと思うのですが、「うちの子に子供ができた!」という喜び以外の喜びも、鳥の場合はあるように思います。それは、産まれてきた子どもの羽色を楽しむ喜びです。

鳥だけでなく、ウサギやハムスター、チンチラなどでも毛色を楽しむカラーブリーディングというのはあるのですが、残念ながら日本では、カラーブリーディングを楽しまれているブリーダーさんは少ないようです(外国では、カラーブリーディングを楽しまれているブリーダーさんは少なくありません。日本も、もっとブリーダーが増え、小さなペットを飼える環境にある人が増えれば、きっとカラーブリーディングを楽しむブリーダーさんが増えるのだと思います)。

ところが、鳥類については、カラーブリーディングは「色変わり」と呼ばれ、多くのブリーダーさんや飼い主さんが楽しまれています。種類にもよりますが、親鳥とは違う色合いの子供が産まれることが珍しくないため、「どんな子が産まれるのだろうか?」と飼い主さんたちがワクワクしながら楽しめているのかもしれません。
 
サザナミインコ
後姿だと、羽色の美しさがわかりやすいと思います(撮影が下手なのでわかりにくいですが。。。)
今回、決して派手ではなく、でも物凄く綺麗でつい見とれてしまったサザナミインコさんの写真を選んでいるときに、気が付いたことがあります。

色変わりにより、素晴らしく綺麗な羽を持つ小鳥が産まれたとします。でも、この子の羽の色は、今まで同じ種類の鳥では見たことの無い色。この美しさを多くの人に知ってもらい、もっとこの鳥の魅力を理解してもらおうと思ったならば、なんとかしてこの子の羽の色を作り出した要因を突き止め、同じ色変わりの子をたくさん産ませたいと思うのではないでしょうか?

そして、「予定外」に産まれてきた綺麗な羽の色を、「予定通り」に作るべく、親鳥を選び、親鳥の組み合わせを考え、繁殖を繰り返していくのだと思います。決して簡単ではないでしょう。何年もかけて繁殖を繰り返し、色を固定していくのだと思います。
 
サザナミインコ
穏やかで友好的なサザナミインコは誰からも好かれるペットと言えるでしょう。
色変わりのサザナミインコさんの写真を見ながら、誰かがこの色を気に入り、この色を固定していったのではないか、と考えてしまったら、色変わりというのはなんて魅力的なのだろうかと思ってしまいました。

単に「綺麗な色だ」と言って終えることもできます。でも、誰かが感想を言うだけではなく、努力して残してくれた色なのかもしれません。そう考えていくと、たった1羽の鳥の後ろになが~い歴史があるようで、すべて私が勝手に想像したことなんですけど、ものすごく楽しめてしまったのです。
 

サザナミインコの飼育

サザナミインコ
おもちゃで遊ぶ姿は可愛く楽しそうで、見ていて飽きません。
サザナミインコには友好的な子が多く、また、おもちゃなどでよく遊ぶ明るい子が多いそうです。足を使っておもちゃをつかんだり、食べ物をつかむこともあり、インコなんですが「小さな体のオウム」と呼ばれることもあるそうです。

穏やかな性格ゆえに攻撃性は低く、攻撃的な子といっしょのケージに入れることは勧められません。夫婦仲のよい種類ですので、ペアで飼うのがお勧めです。

飼い方は、基本的にオカメインコなどの他のインコ類と同じです。他のインコ類と同じようにシードミックス(種子類)をメインに果物や野菜を副食として与えるといいでしょう。湿度の高い熱帯雨林に生息している種類だからか水を好むようで、霧吹きで水をかけて水浴びさせているという飼い主さんもいらっしゃるようです。
 
サザナミインコ
仲間との仲良しぶりを考えると、2匹以上で飼いたいですね。
サザナミインコは、あまり大きな声で鳴かないそうです。それゆえに、日本の住宅でも飼いやすいのではないかと思います。普段は、仲間同士で会話でもしているかのような静かな声で鳴き、危険なときだけ大きな声を出すらしいです。

ペットショップで見ていて気が付いたのですが、サザナミインコは止まり木を飛び移るよりも、歩いて移動するのが好きなようです。エサ入れまで歩いてきてごはんを食べ、食べ終わったらケージの網を登って止まり木へ移動。止まり木の上も足でしっかりと歩きながら移動していました。

たまたま私がお会いした方がそうだったのかもしれないと思っていたのですが、サザナミインコは飛ぶのが得意ではないそうですので、せまいケージでは飛ぶよりも歩く方が都合がよかったのかもしれません。

サザナミインコさんはあまり日光浴は好きではないようです。熱帯雨林で背の高い木に囲まれた環境に生息している鳥だからかもしれません。木陰から、葉の隙間や葉を通してあたる日光がちょうどいいらしいです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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