サバクツノトカゲの基本情報
写真提供:レプタイルストア ガラパゴス
学 名:Phrynosoma platyrhinos
別 名:-英 名:Desert Horned Lizard, Horny Toad分 布:アメリカ合衆国西部(アイダホ州とオレゴン州の南部からカリフォルニア州とアリゾナ州)、メキシコ北西部(バハカリフォルニア州とソノラ州)全 長:140mm 体長95mm
北アメリカの西部に広がる乾燥地帯に生息する、文字通り角を持つことが特徴の小型のトカゲです。
北アメリカの砂漠地帯にはツノトカゲの仲間が10-15種程度生息しているとされ、本種はその中で最も流通している種であるとされます。
本種は分布域も広く、一応分布により以下の3亜種に分けられています。
- キタサバクツノトカゲPhrynosoma platyrhinos platyrhinos・・・基亜種。アイダホ州、ネバダ州、ユタ州、モンタナ州
- ミナミサバクツノトカゲP. p. calidiarumu・・・ユタ州とネバダ州の南部、カリフォルニア州、アリゾナ州
- ソノラツノトカゲP. p. goodei・・・メキシコの個体群
ツノトカゲの仲間は後頭部の角の数や形状で形態的に分類されますが、本種は特に発達した角が2本であり、その角が根元で接しないことが特徴のようです。しかし同様の角の生え方をしている種類もありますので同定のポイントにはなりにくいようです。同定のポイントは体側の背部と腹部の境にあるフリル状の鱗列で、これが一列であることです。他種ではこれが「無い」か「2または3列」です。
体色は灰褐色地に黒色の斑紋が不規則に入り、さらに黄褐色-赤褐色の小さな斑紋が混じりますが個体差が大きくバラエティに富んでいます。
尾は細く、薄く幅広い体型をしています。吻端は丸く尖っていません。
乾燥した環境に生息しており比較的標高の低い場所に分布しています。ほとんど砂漠のような場所で乾燥地に適応した草本類が生えているような場所で見られるようです。
昼行性で岩場などで日光浴をする姿が観察されますが、基本的に朝方や夕方に活発に活動をしています。また夜間も行動することが知られています。
昆虫食性で、特にアリを多く食べることが知られています。200個体以上の胃内容物を調査した結果、食べている餌の重さの50%程度はアリであることがわかっています。しかし、アリ以外にも小さな甲虫類も食べており、さらには少量ですが水分の多い果実も食べていることがわかっています。
卵生で自然下では4-5月に1クラッチで2-16個の卵を2クラッチ産みます。卵は50-60日で孵化します。
敵に襲われると体をふくらませて威嚇しますが、目から悪臭のする血液を1m以上噴き出させることがよく知られています。
ツノトカゲの仲間は非常に飼育が難しく、国内で長期飼育している例がほとんど聞かれません。いろいろな原因が考えられますが、とにかくトカゲ愛好家からは最も確実な飼育法の確立が望まれている種と言えるでしょう。これだけカッコイイトカゲなんですから、飼育できないのって本当に残念です。似たようなステイタスのアフリカのヨロイトカゲ、オーストラリアのイワトカゲあたりは飼育法もほとんど確立され、どちらかというと飼育しやすいトカゲなのに不思議な話です。
でも本当にカッコイイトカゲです。海外サイトに本種の頭骨写真があるのですが、骨になってもこれほどカッコイイ生き物ってそんなにないですよ。マジで。
赤っ恥をかかない程度の知識
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サバクツノトカゲの飼育方法
飼育容器1ペアで90cm水槽が理想。狭いとストレスが大きいらしい。ただし通気性のあるフタさえしっかりておけばランチュウ水槽のように高さが低いものでも可
温度
バスキング部は40℃、低温部は28~30℃。夜間は21~24℃にする。昼夜の温度差を付ける
照明
強い紫外線灯とバスキングランプが必要
床材
爬虫類用の砂漠の砂などを厚めに敷く
容器内レイアウト
シェルターが必須。流木を横倒しにして観葉植物などを入れると良い。水入れは小型のものを設置
餌
昆虫食。小さめのコオロギを大量に与える。できればアリも与える。イチゴなどの果実も与えてみる
基本的な世話
乾燥系トカゲの飼育
- カルシウムの添加は必須。ときどきビタミン剤も添加する
- アリも与えたい
- 通気性を確保できるケージを使う
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