ジャヤカーオマーンカナヘビの基本情報
撮影協力:LACERTA ROOM
学 名:Omanosaura jayakari別 名:-英 名:Jayakar Lizard,Jayakar's Oman Lizard分 布:オマーンとアラブ首長国連邦にまたがるオマーン山地全長:50-60cm前後 頭胴長:14-18cm程度
アラビア半島のオマーンに生息する大型のカナヘビです。
本種の属するオマーンカナヘビ属Omanosauraは本種ジャヤカーオマーンカナヘビOmanosaura jayakari とBlue-tailed Oman Lizard
と呼ばれ、同所的に生息していると思われる小型のO. cyanura の2種からなるカナヘビ科のグループです。
本種は生息環境である岩場で目立たないようにするためか、写真のように全体的に灰白色っぽい色をしていますが、実際にはベージュから紫がかったグレー、ピンク色っぽい発色など淡く美しい体色をしています。体型はガッチリしていますが、カナヘビらしくは非常に長い尾を持っています。
それほど過酷な環境に生息しているわけではないようで、山地の主に日当たりの良い岩場で生活をしています。
野生での食性や繁殖生態はよくわかっていませんが、飼育している方の情報では、植物性のエサも食べる雑食性であり、飼育下では配合飼料なども食べるようです。飼育下での繁殖記録では5-6個の卵を産み、25-30℃で70-80日くらいで全長16cm、頭胴長4-5cm程度の比較的大きな幼体が孵化したそうです。
なかなか、国内では本種のような海外のカナヘビというのはマイナーというか、あまり知られていなくて、流通するのもあまり見かけません。もちろん、私を含めて多くの両爬ファンも、今回の流通まではその存在すら知らなかったカナヘビだと思われます。
しかし、実際に状態の良い成体を見ると、カナリアカナヘビの雄やホウセキカナヘビ、ミドリカナヘビのような派手さはありませんが、いわゆる茶色っぽい地味な感じでもなく、非常に上品な色彩で、かつこれだけの大きさですから、この手のトカゲが好きな方には、また新たな選択肢が増えたという感じでしょう。
オマーン自体は野生動物の輸出を禁止しているため、EUなどで細々と繁殖されたCBが、おそらく十数年ぶりに流通したわけで、これからまた輸入されるようなことはほぼ望めない、まさに幻のカナヘビであるわけです。
もちろん、高価であるわけで、本種の本当の価値を理解し、熱い情熱を持って飼育する気持ちがある方だけのためのカナヘビでしょう。
しかし、こういうのを本当に輸入し、また国内でCBをとってしまう、カナヘビマニアの熱さ...恐るべし。
赤っ恥をかかない程度の知識
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ジャヤカーオマーンカナヘビの飼育方法
飼育容器幼体ならば60cm程度の爬虫類専用ケースでいい。最終的には自作の120cmクラスのケージが必要。床面積を広くとれるようにする
温度
基本は25℃程度。ホットスポット下は35℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること
照明
爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる。
床材
本質的にはヤシガラ土など多少湿度を保持できる素材を厚めに敷くのがいいが、清潔さなどの点で問題もある
容器内レイアウト
幼体時はシェルターを設置する。水容器は大きめのものを設置する
餌
幼体時から果実や葉野菜などを食べるので、植物中心ので構わない
基本的な世話
乾燥系かつ温帯系のトカゲの飼育に準ずる
- 幼体時は低温と乾燥に十分に注意する
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