アミメニシキヘビの基本情報
アミメニシキヘビの基本情報・飼育方法
オオアナコンダと並ぶ世界最大の大蛇です。
特に私たち両爬飼育者にとっては、海外を中心に本種はアナコンダよりもペットとしてポピュラーであるため身近な大蛇であると言えます。
体型は比較的細長く、体重では最大をアナコンダに譲ります。
一部でBroghammerus reticulatus という学名を使用したり、あるいは3亜種に分けたりという考え方もあるようですが、ここでは従来の学名で紹介します。
通常はオリーブがかった褐色地に文字通りひし形の網目状模様が複雑に入り、非常に美しい斑紋をしていて皮革製品の原料として珍重されています。また目から斜め後ろに向かって走る黒色のラインも他のパイソンと比較して特徴的です。ただし、これらの斑紋パターンは個体差や地域差もあるようで比較的バラエティに富んでいます。上の写真の個体は「タイガー」と呼ばれる、背中に斑紋がないタイプです。
また海外ではペットとして人気が高く、さまざまな品種が作出されています。さらに品種とは言えないかもしれませんが、インドネシアのジャンペア島の個体群は、最大でも2.5mまでにしか成長しない矮小個体群といわれ「ドワーフレティック」と呼ばれ人気があります。
主に高温多湿の熱帯雨林に生息し、特に河川や池沼の周辺に多く見られるようです。幼体時は樹上性が強いようですが、大型の個体は地上で生活するようになるようです。
哺乳類を中心に様々な脊椎動物を食べますが、ヒョウなどの大型の肉食哺乳類を食べた記録もあります。また人間が食べられたという記録も多数残っています。飼育下でも比較的性質は荒く、攻撃的である個体が多いと言われています。
雌雄ともに2.5-3mほどになると繁殖が可能になるようで、メスは1回に250gほどの大きな卵を25-80個以上も産卵します。産卵後にメスは卵の周りにとぐろを巻いて、体を細かく震動させて熱を発生させ卵を温めるとされています。卵は30℃前後で80-90日で孵化に至ります。
海外では比較的ペットとしてポピュラーであるようですが、成長も速く、比較的神経質で扱いにくいため日本国内の一般家庭で飼育するには向いていない生き物です。
上の写真は2009年のジャパンレプタイルズショーに展示されていたタイガーレティックですが、これで6mの個体だそうです。おそらく太さは女性のウェストよりもあるでしょうから、こんなんを家庭で飼えるか、つー話です。
ただ、確かに他のボア・パイソンと比べ美しいヘビであるのは事実です。本当に、本当にドワーフレティックが2.5mくらいまでにしか育たないのなら、しっかりと許可を得て飼育してみたいヘビではあります。
動物愛護法による「特定(危険)動物」に指定されており、飼育に際しては都道府県知事の許可が必要です。CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
- 世界最大級の大蛇
- 最長記録は9.9m
- 性格は比較的荒い
- さまざまな品種が作出されるなど、欧米ではペットして人気がある
- 人間が食われてしまった正式な記録はある
- ドワーフレティックという大型にならない個体群がある
アミメニシキヘビの飼育方法
飼育容器サイズに合わせて衣装ケース・爬虫類専用ケースなどを使う。しかし最終的には部屋一つ分程度の大きさの飼育施設が必要特定動物に指定されているので、施行規則に則った飼育施設が必要です。
温度
低温に弱いため30℃前後に保温する。ホットスポットの設置などによってケージ内に温度の勾配を作る
照明
ホットスポットのみ
床材
新聞紙やクッキングペーパーで良い
容器内レイアウト
とぐろを巻いて全身が入る大きめの水容器を設置する。シェルターはあった方がよい
餌
大きさに合わせたマウス・ラット・ウサギ・ニワトリなどを使う。冷凍を解凍したものでよい
基本的な世話
- 絶対に脱走させない
- など
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