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イザベルオオトカゲの基本情報! ほとんど幻の珍しいオオトカゲ

今回は、イザベルオオトカゲの基本情報をご紹介いたします。イザベルオオトカゲは、一時は絶滅したとも考えられていた、非常に珍しいオオトカゲです。情報も限られていますが、もしも飼うとするならば、という仮定の飼育方法も考えてみましょう。

執筆者:星野 一三雄

イザベルオオトカゲの基本情報

イザベルオオトカゲの基本情報

協力:Rep JAPAN画像提供:川添宣広

イザベルオオトカゲ
学 名Varanus spinulosus 別 名:ソロモントゲオオトカゲ、トゲマングローブオオトカゲ英 名:Solomon Island Spiny Monitor分 布:ソロモン諸島(ジョージ島、サンタイザベラ島)全 長:86.2cm 体長31.2cm(文献上)

一時は絶滅したとも考えられていた、非常に珍しいオオトカゲです。

本種はかつてはマングローブモニター Varanus indicus
の亜種V. i. spinulosus とされていましたが、最近は独立種とされています。

確認されている個体数があまりにも少ないため、これまで知られている形態的な特徴が果たして本種の個体すべてに共通するものなのかどうかはよくわかっていませんが、現在までは「体色が黒褐色で背面に黄色のバンドおよび大きめのスポットが並ぶ」「四肢に黄色いスポットが多数入る」「頭部は黄褐色」そして、本種の最大の特徴である「一部の鱗が細かい棘状の突起になっている」という程度です。

自然での生態はほとんど知られていませんが、森林に生息して樹上にも登るようです。また快晴の日しか野外で観察されることがないらしく、飼育下では夜間に樹上で眠ることが観察されています。

野生での食性は若干の記録があり、地上に巣を作る鳥の卵や節足動物、魚類、トカゲ等を食べているということです。また飼育下ではゴキブリなどの昆虫類やマウスも食べた記録があるようです。

繁殖に関しては何もわかっていませんが、2009年に日本に輸入されたメスの個体が6月に63.49×33.61mmの卵を5個を持ち込み腹で産みました。この記事を書いている2009年7月現在、孵卵中であるようです。

本種は、前述したようにほとんど発見された記録がなく、絶滅されたも言われていたくらいの種類ですから、2009年に発見どころか日本に輸入されてしまったのですから、それはもうみんな驚いたわけです。かくいう私は、不勉強でよくわからなかったんですけど...それでもいろいろと調べるうちに、それがどれほど仰天することなのかは理解できるくらいになりました。しかも、それが産卵したというのですから、これが孵化したら、いったいどんなかわいらしい幼体を見ることができるのか、そんなことも期待できるんですから、本当に幸せです。

こうやって、幻級の生体が流通することで、夢がだんだん少なくなってしまう、という考え方もあるんですけど、それでもやはり憧れであり続けるわけで、まだまだこの趣味の魅力は尽きないです。

って、単に珍しいモニターかとも思ったんですが、体型はちょっと独特なような感じもしますし、背中の斑紋もキレイで、珍しいだけではないモニターと言えます。

CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種

 

赤っ恥をかかない程度の知識
  • 現在はマングローブモニターの亜種ではない
  • ソロモン諸島の一部の島にのみ分布
  • ほとんど何もわかっていない
  • 商業的に流通するのはおそらく世界初
  • ほとんど幻だった
  • 国内に輸入された個体が産卵した
イザベルオオトカゲのトゲ
体表の"トゲ"
画像をクリックすると拡大画像と詳細が表示されます

 

もしも飼うとするならば……イザベルオオトカゲの飼育方法

飼育容器
底面積150cm×80cmクラス以上の飼育施設が必要。立体活動も行うので高さも十分に。さらに通気性も重要。

温度
基本は26℃程度。ホットスポット下は50℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること。

照明
爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる。

床材
ヤシガラ土など、多少湿度を保持できる素材を厚めに敷く

容器内レイアウト
止まり木になるような太めの枝を一本だけ斜めに立てかける。水に入ると思われるので、水容器は大きめのものを設置する


ウズラ、マウスなどを少量。ただしマウスなどは食わない個体も多い。栄養添加剤は必須

基本的な世話
樹上性オオトカゲ類の飼育に準ずると思われるが、国内に輸入された個体に限った情報では
  • 水入れには入らない
  • 個体による偏食が激しい
  • コオロギは食べていない
などが観察されているようです ※「解説」「飼育の基本情報」は「大蜥蜴世界(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド オオトカゲ&ドクトカゲ(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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