デカリーヒメカメレオンの基本情報
画像提供:ペポニ
学 名:Brookesia decaryi別 名:-英 名:Spiny Leaf Chameleon分 布:マダガスカル北西部全 長:6.3-8.5cm オス:7.6cm メス:8.5cm
ホビーとして流通する場合に、属名そのままに「ブロケシア」と総称される小型のカメレオン・ヒメカメレオンの仲間です。
ヒメカメレオン属Brookesia はマダガスカルに分布する小さなカメレオンの仲間で20種程度が知られています。ほとんどの種が全長10cmに満たないカメレオンのみならず、すべての爬虫類の中でももっとも小型の生き物たちです。どの種も体色は、生息環境である林床の落ち葉に擬態・保護色とするために褐色系で地味ですが、棘が発達したり特異な形態をしている場合が多いのも特徴です。
基本的に林床のリッター層の上を、ゆっくり歩き回って小さな虫を補食していますが、夜間は背の低い小枝などに捕まって休眠することや、四肢が他のカメレオン同様に枝に掴まることができる形態に発達していますので、樹上も生活の場としているようです。
小型ですが、体色以外はカメレオンとしての魅力を兼ね備えており、環境さえ整えれば丈夫ですので人気がありましたが、2002年にもっとも大型のブロケシアであるロゼッタカメレオンがCITESの付属書Iに掲載されて以来、特に注目を浴びるようになりました。本種は、特に異形であったロゼッタカメレオンに次ぐ特異な形態をしているため、ブロケシアの中でも、特に人気が高い種です。
側扁し上から見ると薄い胴体を持つ種が多いカメレオンの中にあって、本種は非常に胴体が幅広く、上から見ると見事に落ち葉に擬態していることがわかります。また体側から尾にかけての三角形の大型の突起も発達しています。また写真の個体のように、上から見える部分が灰色から明褐色で、体側が暗褐色になることも多く特異です。
卵生で、交尾後35-45日で4-6個の卵を産み、24-25℃で55-70日で孵化することが知られています。
前述したように大変人気のあったロゼッタカメレオンの流通が見込めない今、本種がペットとしてのブロケシアの代表であることは言うまでもありません。しかし、本種もまた、非常に狭い範囲にしか分布しない種類ですし、すでにCITES IIであるわけですから、いつでもIになっても不思議ではありません。
比較的丈夫で飼育もしやすく繁殖も見込める種類ですから、ここは一つ日本でもしっかりと繁殖させてCB化したいところです。ま、IになったらCBもへったくれもないんですけどね。
とにかくこんなカッコよくて、カワイイんですからすごくイイカメレオンです。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
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デカリーヒメカメレオンの飼育方法
飼育容器45~60cm程度の水槽など
温度
23から28℃。ホットスポット周辺は30℃。あまり高温には強くない
照明
紫外線灯やバスキングランプは不要という情報もある。紫外線量が少ない爬虫類用蛍光灯で十分と思われる
床材
ヤシガラ土など保湿性のあるものを7~12cm程度の暑さに敷く
容器内レイアウト
観葉植物や木の枝などの掴まっていられるものを配し、枯葉やコケなどを敷く。隠れ家になるシェルターも必要。水入れは設置しなくてもよい
餌
昆虫食性。小さいコオロギ、ミールワーム、シルクワーム、ショウジョウバエなど
基本的な世話
多湿系トカゲの飼育に準ずる
- 1日に2回霧吹きをする
- ドリップシステムにはあまり反応しないらしい
- 霧吹き時以外は床材は多少乾いても構わない
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