爬虫類・両生類/両爬のQ&A

6時間目・二遺伝子の交雑(3ページ目)

実は、今回が一段落の「実況!両爬の生物学授業!」の6時間目です!ようやく、ここまで来ました!高等学校の生物でお馴染みの二遺伝子の遺伝です!!つまりスノーコーンの作り方!!

執筆者:星野 一三雄

そしてF2

さて、ここからが本番。ここでガッカリしてはいけない。ここで生まれた子を一生懸命に育てて、しっかりと親まで育てるんだ。
そして、繁殖可能の大きさになるまで待つこと2年...いよいよこのダブルヘテロの子たち同士で交雑をすることを考えよう!

今度は、さっきみたいに単純じゃないぞー。ダブルヘテロだから見た目はノーマルだけど、配偶子は何種類もできる。なぜならMとEが別の染色体上にあるとすれば分離の法則にしたがって、減数分裂の時にMとEはお互いに無関係に配偶子に入るからね。
このくらいならそれほど疲れない!
ダブルヘテロから4種の配偶子が形成される

そういうわけで以下の図のように、ME、Me、mE、meの4種の配偶子ができることになる。そして、それぞれは同じ確率でできるから、すべての精子と卵には

ME:Me:mE:me=1:1:1:1

の割合で遺伝子を持つことになる。
これがそれぞれ同じ確率で受精して、今度はさまざまな遺伝子型の子が同じ確率で生まれることになる。

さっ、わかりやすいように下に表を作った。まずはこの表の空欄の下線部にあてはまる遺伝子型を書いてみてくれ。一つだけ例として書いておくから、これを参考に。
配偶子オス親
MEMemEme
メス親MEMMEE______________________________
Me________________________________________
mE________________________________________
me________________________________________

できたかぁ?
よし、じゃあ28番の人、空欄を埋めてくれ。
「ハイ」
配偶子オス親
MEMemEme
メス親MEMMEEMMEeMmEEMmEe
MeMMEeMMeeMmEeMmee
mEMmEEMmEemmEEmmEe
meMmEeMmeemmEemmee

ハイ、ご苦労様。すべて合っているな。うん。
何度も言うけど、それぞれの配偶子ができる割合も、どの配偶子とどの配偶子が受精するかの確率も、すべて等しいから、16マスそれぞれが生まれる確率はすべて同じだ。

さて、じゃこれがどんな表現型になるのか、書き込んでくれ。34番の人、どーぞ。
「...はい。めんどくさいな...」
配偶子オス親
MEMemEme
メス親MEMMEEノーマルMMEeノーマルMmEEノーマルMmEeノーマル
MeMMEeノーマルMMeeアネリMmEeノーマルMmeeアネリ
mEMmEEノーマルMmEeノーマルmmEEアメラニmmEeアメラニ
meMmEeノーマルMmeeアネリmmEeアメラニmmeeスノー

素晴らしいね!!正解だ!

つまり、ダブルヘテロ同士を交雑させると、遺伝子型の違いはあるが、表現型として

ノーマル:アメラニ:アネリ:スノー=9:3:3:1

の割合で生まれてくる、ということなんだ。この割合を「分離比」というのは以前にやったな。
誰か...褒めてくれ
表現型の分離比

「先生!じゃ、スノーが得られる確率は16分の1...6.25%しかないんですか!?」

そういうことだ。

「スノー、むちゃくちゃ貴重じゃないですか!?」

そういうことになるな。
スノーに限らず、2つの劣性遺伝子を持つ品種がダブルヘテロ同士から生まれてくるのは、理論上は16匹の子が得られて、やっと1匹ってことになる。コーンスネークの産卵数は、だいたい1クラッチで10個程度だから、1回の産卵では得られない確率の方が大きいわけだ。
ただし、これはもちろん確率の話だから、一発で生まれてくることだってあるし、何回やっても生まれてこないかもしれない。一腹の卵がすべてスノー、ってことだってあり得るわけだがな。

ダブルヘテロ同士で、この確率だろ?ってことは3つの劣性遺伝子からなる品種、例えば前回の宿題で出題したスノーモトレーなんかアメラニ+アネリ+モトレーだから、もっとすごいことになるよな。
配偶子の遺伝子型は8通りだから、8×8=64通りの遺伝子型で、その中の一つだけが三重の劣性ホモ、つまりスノーモトレーだから64分の1、1.6%だよ。
これが四重の劣性ホモ...例えばハイポ・ラベンダー・アルビノ・モトレーとか0.4%だ、0.4。1000匹とって4匹だよ。
ただ、必ずしもダブル、トリプル、クワトロヘテロ同士を交雑して得るわけじゃないから、次のように計画的にすれば、もう少し楽なんだがな。

二遺伝子の遺伝を練習してみよう!

例えば、こんな組み合わせで交雑してみてみたらどうだろう?
例:ダブルヘテロのノーマル(遺伝子型MmEe)とmmEeの遺伝子型を持つアメラニを交雑する

さ、これの結果を考えてみてくれ。表で考えるとわかりやすいぞ。
配偶子オス親
MEMemEme
メス親mE________________
me________________

できたかな~?じゃ、39番の人!

※答えはコチラ...

そういうことだね!ご苦労様!
この組み合わせなら、分離比は

ノーマル:アメラニ:アネリ:スノー=3:3:1:1

だからスノーは8分の1、12.5%の確率で得ることができるわけだ。

それに言うまでもないが、スノー同士を交雑すれば、100%スノーになるんだがな。

うわ、今回はHTMLのTABLEタグばかりなので、どのくらいの量になったか見当がつかない...このくらいにしておくか!
でも、どうかな?減数分裂と優性、劣性の関係の妙というのが少しはわかってくれたかな?
ここらへんで、このシリーズも一段落なんだが、次回からはもう少し細かい用語を解説してみたいと考えている。ぜひ、次の授業も楽しみにしてくれ!!
今後の予定としては「ポッシブルヘテロ」「変異」なんかを考えてます!
また、他にも授業風に解説してもらいたい両爬用語があったら、どんどん言ってください!
ガンバルから!!

おおっと、宿題、宿題、と。今回は簡単
宿題:遺伝子型がMMEeのノーマルとスノーを交雑したときに得られる子の遺伝子型と表現型および、その分離比を求めよ

もちろん提出期限は次の記事のアップまで!!
はい、今日はココまで!!

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....

「起立。気をつけー。礼!」
「ありがとうございましたー」
1時間目・染色体と減数分裂
2時間目・ホモとヘテロ
3時間目・優性と劣性
4時間目・一遺伝子の交雑
5時間目・ダブルヘテロ
両爬の色彩変異 白ヘビ様
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