爬虫類・両生類/両爬のQ&A

5時間目・ダブルヘテロ

一年ぶりの開講...になってしまった「実況!両爬の生物学授業!」の5時間目です!今回は題名の付け方が?って感じですが、要するに2つの遺伝子の組み合わせの話です!

執筆者:星野 一三雄

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!
それでは、授業を始めまーす。挨拶をお願いしまーす。

「起立。気をつけー。礼!」
「お願いしまーす」

ハイ、お願いします。

ん?何?
この一年間、何をしていたのかって?まあ、そのなんだ。いろいろだ。と言うか、みんな一年間、元気にしていたのか?いいんだよ。この講義は、最後までやってはじめて完成されるという、気の長い話なのだから...

というわけで、一年前に出した宿題はちゃんとやってきているのか~?
こんな問題だったな。
宿題1:以下の組み合わせで交雑させたときに得られる子の表現型の分離比を答えよ。

問1.ノーマル(ヘテロ)×アメラニ

問2.ノーマル(へテロ)×ノーマル(純系)

宿題2:コーンスネークの赤色色素の生成は赤色色素を作ることが「できる」と「できない」が対立形質になっていて、作ることが「できる」が優性である。この時、優性形質はノーマルで茶色であるが、劣性形質は赤がないため白黒のモノトーンになり、これをアネリスリスティック(アネリ)と呼ぶ。優性遺伝子がE、劣性遺伝子をeとした時、以下の各問いに答えよ。

うちにはアネリいないんですよ...
アネリスリスティック
画像提供:Endless Zone

問1. ノーマル(純系)とアネリとで交雑した場合、どのような分離比になるのかを、上の<表2>を参考にして、表を作って答えよ。

問2. ノーマル(ヘテロ)同士を交雑した場合、どのような分離比になるのかを、上の<表2>を参考にして、表を作って答えよ。
あんまり間が開いてしまったお詫びに、今回は先生が答えを言おう。

まず宿題1の問1な。
前回の授業でやった一遺伝子交雑の問題だ。
ノーマルヘテロだから遺伝子型はMmだ。交雑の時に重要なのは、その親が作る配偶子だったな。この場合はM、mの二種類の配偶子を作る、と。
一方アメラニは黒色色素欠損だから劣性ホモ、つまり遺伝子型はmmだ。と言うことは配偶子はmしか作らない。
したがって、ノーマルのM配偶子とアメラニのmが組み合わさったMmとノーマルのm配偶子をアメラニのmが組み合わさったmmの二種類の遺伝子型の子が生まれてくる。それぞれの表現型はMmがヘテロだからノーマル、mmは劣性ホモだからアメラニ。したがって答えはノーマル:アメラニ=1:1だ。

次は問2だ。ノーマルへテロの作る配偶子はMとm。ノーマルの純系、つまり優性ホモの遺伝子型はMMだからMの配偶子しか作らない。したがって子はMMとMmの二種類の遺伝子型ということになる。しかしMMはもちろんMmも優性形質であるノーマル体色になるな。よって表現型の分離比も何もない。答えはノーマルのみ、だ。

宿題2はアネリの問題だ。何のことはないな。EEとEeが優性形質でノーマル、eeだけ劣性形質でアネリ体色ということだな。まず問1だ。ノーマルの優性ホモとアネリだから、配偶子はノーマルがEだけでアネリはeだけだ。したがって表を書くとこうなる。よって答えは、ノーマルのみ、だ。
配偶子親1
EE
親2eEeノーマルEeノーマル
eEeノーマルEeノーマル

問2はヘテロ同士だから、それぞれの親が作る配偶子はEとeの二種類。したがって表はこうなる。
EEとEeは表現型はノーマル、eeはアネリだからノーマルが1+2=3に対して、アネリは1のみ。よって答えはノーマル:アネリ=3:1、ということだな。
配偶子親1
Ee
親2EEeノーマルEeノーマル
eEeノーマルeeアネリ

一年間あったんだからできてるよな。うん。

さて、じゃ先を急ごう。
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