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ヒメカエルガメの基本情報と飼育方法……カエルガメの中で最小種!

今回は、ヒメカエルガメの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。ヒメカエルガメは、南米の曲頸類であるカエルガメの仲間のうちでも小型の種類です。やや酸性の水質を好むと思われる点を除けば飼育もしやすく、初級者にも勧めやすいカメといえるかもしれません。

執筆者:星野 一三雄

ヒメカエルガメの基本情報

ヒメカエルガメの基本情報と飼育方法

写真提供:Herptile Lovers

ヒメカエルガメ
学 名Phrynops gibbus 別 名:ギバタートル英 名:Gibba Turtle分 布:ペルー中部から北東部、エクアドル、コロンビア南東部、ベネズエラ、トリニダードトバコ、ガイアナ、スリナム、パラグアイ、ブラジル甲長:23.3cmまで

南米の曲頸類であるカエルガメの仲間のうちでも小型の種類です。本種は小型の仲間であるヒメカエルガメ亜属Mesoclemys とされますが、これを独立の属としてMesoclemmys gibba とする場合もあるようです。

背甲は扁平で円形に近く、暗褐色から黒色をしています。腹甲は赤褐色から黄色で、暗色の斑があります。頭部には幼体から若い個体では虫食い状の斑紋が目立ちますが、成長につれて不明瞭になり黒色になっていきます。ただし、これらの特徴は地域個体群や産地によって変異が多いようです。

緩やかな流れの川や沼地、池などに生息し、特に森林に近く水面に樹木が覆っているような場所を好むようです。また特に、いわゆるブラックウォーターになっている場所で生活しいていて酸性の水質が生息に適しているようです。

雑食性で植物質のものもよく食べているようで、飼育下でも配合飼料に餌付きやすいと言われています。

主に7-11月にかけて産卵を行っているようで、1回の産卵で41-50×25-32mmの卵を2-4個産みます。飼育下の記録では200日程度で甲長45-48mmの幼体が孵化します。

ギバタートルの愛称で知られている小型の曲頸類で、比較的安定して流通もしているようです。特徴らしい特徴がなく、ロカリティによって色彩や斑紋も異なるため、複数の種を含んでいる可能性もあるようです。

やや酸性の水質を好むと思われる点を除けば飼育もしやすく、あまり大きくなりませんから初級者にも勧めやすいカメといえるかもしれません。ただ、小型と言ってももともとが大きい種類が多いカエルガメの仲間ですから20cmオーバーの背甲長で遊泳力もありますから、結局はある程度の覚悟をしないと飼えるカメではありませんが。

赤っ恥をかかない程度の知識
  • 南米の曲頸類
  • カエルガメの仲間の中で最小種
  • 特徴的な斑紋や色彩は乏しく、産地によって変異が多いらしい
  • 飼育はしやすいが酸性の水質を好む

 

ヒメカエルガメの飼育方法

飼育容器
90~120cmクラスの水槽など

温度
温暖な地域なら屋外で無加温でよいが、25℃を下回らない程度に保温した方がベター

照明
紫外線入りのバスキングランプが必要

ろ過
できれば、外部式フィルターと上部フィルター

床材(底砂)
サンゴ砂などはアルカリ性に傾くので不可

容器内レイアウト
泳げるくらい水深は深くてよい。陸場は流木を利用する。流木は水中にも組むこと


配合飼料を食うのならば、配合飼料でよい。他に巻き貝や生きた小魚を与えると喜ばれる

基本的な世話
  • 餌の与えすぎに注意する
  • 換水は週に一度、3分の2程度
  • 2週に1回は全換水
  • 全換水時にブラックウォーターを利用
  • 週に1度、強制的に乾燥させ甲羅干しをする
※「飼育の基本情報」は「ビバリウムガイド No.22(マリン企画)」「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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