私のサイトを、普段からご覧になっているくらいの両爬ファンの皆様なら...いや、もしかして逆かも...とにかく、何にしても世界でもっとも有名なカメ、ということはもっとも有名な爬虫類である「ロンサム・ジョージ」のことはご存じでしょう。
最近は、彼に関するいろいろなニュースでにわかに再注目されてきている「ロンサム・ジョージ」について、まとめをしておきましょう。
って、私が書くのは初めてなんですが。
まずは、万が一にもご存じない方もいらっしゃるかもしれないので、ロンサム・ジョージについての簡単な解説からさせていただきます。
ロンサム・ジョージとは
ロンサム・ジョージとはガラパゴスゾウガメの1亜種であるピンタゾウガメのオスの個体のニックネームです。ロンサム・ジョージ(と思われる個体) |
画像提供:美ら地球回遊記 |
ジョージはロンサムlonesomeつまり「一人で寂しい」「ひとりぼっち」のピンタゾウガメなのです。
エクアドルのガラパゴス諸島には、有名なガラパゴスウゾウガメGeochelone nigra (またはChelonoidis nigra ) が分布しています。しかし、実はガラパゴスゾウガメは1種類ではなく、12-15の亜種に分かれているのです。簡単に言えば、ガラパゴスゾウガメとひと言で言ってもいろいろいる、ということです。
そのうちのピンタ島に生息するガラパゴスゾウガメの亜種をピンタゾウガメGeochelone nigra abingdoni またはChelonoidis nigra abingdonii と呼びます。
ピンタゾウガメは1906年に捕獲された個体を最後に、発見されたことがなく、絶滅したと信じられていました。しかし、1971年にこのジョージが再発見され、まだ絶滅していなかったことがわかったのです。ところが、ジョージが発見されて以降、1頭も発見されることはありませんでした。ロンサム・ジョージは、文字通り「地球上でたった1頭だけになってしまった、最後のピンタゾウガメ」なのです。
わかりやすく言えば「ガラパゴスゾウガメというくくりでは、まだ結構な数がいるが、ピンタゾウガメという種類のカメは、世界で1頭しかいない」ということで、それがロンサム・ジョージであり、彼が死んでしまえば、一つの種(タクソン)が地球上から消滅してしまう、ということなのです。まさに私たちは、一つの種が絶滅してしまう瞬間を目にしてしまおうとしているのです。