爬虫類・両生類/両生類・爬虫類関連情報

2007年の両爬界!(2ページ目)

はー、早い。もう今年の重大ニュースの時期です。というか間に合ってよかった...と言うわけで、毎年恒例の両爬界の1年間を振り返ってみましょう!

執筆者:星野 一三雄

やっぱりツボカビ

それでも、やはりトップニュースは「ツボカビ」でしょう。
ツボカビ関連ニュースはこちら

ツボカビが引き起こすツボカビ症は、両生類の表皮に寄生し、場合によってはその個体を死に至らしめる、恐ろしい病気です。しかも、非常に感染力が強くオーストラリアやパナマでは、ツボカビによって絶滅してしまったカエルもあります。

ツボカビの話は、今に始まったことではなくて、海外ではずっと話題になっていたわけです。で、2006年の12月に日本国内で初めて確認されてしまったから大騒ぎになったわけです。しかも、国内での発見が愛好家の飼育個体からであったことが、衝撃を与えました。
これにより、私たち飼育愛好家も、ツボカビに対しての警戒と屋外への逸出に対して、意識を持たなくてはいけなくなりました。

その後の展開は、みなさんもご存じの通りです。
各地で勉強会が催され、野外からもツボカビが検出され、多くの飼育者や流通関係者の意識付けが広まり...と。
とにかく今後も目が離せないニュースではあります。

法律関係

おなじみの特定外来法関係では、大きな動きがありました。
なんと10月に、これまで未判定外来生物であった12種類の爬虫類が、あらたに特定外来生物として指定されてしまったのです。
詳しくはコチラ→12種が特定外来生物へ

未判定外来生物は、輸入をしようとするときに環境省に届け出をして、「特定外来生物になるか、どうか」を判定しなくてはいけない対象になっていました。で、今回は、申請された12種のすべてが「特定外来生物にするべき」と結論を出されてしまったのです。
これがいったい、何を意味するかというと
「未判定外来生物は、輸入申請があったら、特定外来生物として新たに指定されてしまう可能性が極めて高くなってしまった」
ということです。

もちろん、特定外来生物に指定されれば、一切の流通はできなくなりますし、飼育も許可制になり繁殖もすることが禁止になってしまいます。
つまり、このニュースの持つ意味は、もちろん新たに12種が特定外来生物になってしまった、という意味以上に、今後は未判定外来生物の輸入申請なんてやっちゃダメだ、ということを私たち愛好家が痛感してしまったことなのです。

脱走事案

で、こんな法律あたりを、なんとか変えていきたいなんて思っていても、相も変わらず全国でさまざまな両爬の脱走・保護の事案が後を絶たないのですから、難しいことです。

しかも、今年は「逮捕」とか「送検」とかかなりシビアなニュースが多く聞かれました。
特に9月に金沢で起こった2日連続のワニの脱走・保護事案は、飼育者が動物愛護法違反で「逮捕」され、衝撃的でした。やっぱり逮捕されるんだ、と。

さらに12月になってからも長野県でワニガメとカミツキガメを無許可で飼育していた男性が書類送致されるというニュースも。
<関連記事>
特定外来生物の飼育許可・前編
特定危険動物の飼育許可・後編
特定危険動物の飼育許可

アフリカツメガエルの野生繁殖

7月には和歌山県で、ペット用としてよりもむしろ実験動物として有名なアフリカツメガエルの野生下での繁殖が確認されました。

古くから実験用として大量に輸入、流通され養殖ビジネスも行われている種であり、さらに低温にも強いことから、国内に帰化している懸念の声があったのですが、残念ながらそれが証明された形になってしまいました。

さらに、10月にはここで捕獲されたアフリカツメガエルがツボカビを保菌していることが判明し、11月には実験下でこのアフリカツメガエルから国内の在来カエル数種にツボカビが感染し、一部は死に至ったという結果もニュースになりました。

イグアナブーム

8月からテレビで放映された軽自動車のCMにグリーンイグアナが登場したとことで、どうやらかつてほどではないのですが、イグアナブームが訪れつつあるような気がします。
最近は、私のところにもイグアナ関係の問い合わせが来たり、ショップでも扱うようになったりと、確実に需要が高まってきているようであります。

もちろん、グリーンイグアナは誰にでも気軽に飼育できる生き物ではなく、このようなブームは疑問視されることではありますが、少なくとも良識あるショップ等では、きちんと説明をして販売したりと、昔のブームとはちょっと雰囲気が変わってきているのも事実です。なんとか喜ばしいブームになってくれればいいと思うのは私だけではないでしょう。
年明けたら、この辺もあらためて記事にしたいと考えています。

さて、一般の方が見ても、何となくわかる両爬関係ニュースはこのくらいでしょうか。
次からは、両爬ファンにとっての両爬ニュースを見てみましょう。
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