浮かれたあいさつどころじゃありません。
今回は、緊急特別記事です。

すでにネットだけではなくテレビのニュースなどでも報道されているので、ご存じだと思いますが「カエルのツボカビ症」について簡単に解説をします。

ただ、速報ということでもありますので、今回はわかっている事実だけを羅列し、私見を交えた解説などは、改めて書かせていただこうと考えています。

はじめに

このページは、あまりカエルに詳しくない、カエルに興味がないという方も多くご覧になっているでしょうから、第一に強調したいことがあります。
「今回ニュースになっている『カエルの病気』は、人間には直接の害はない
ということです。また家畜やペットなど両生類以外の哺乳類や鳥類、魚類、爬虫類にも害はありません。ですから猛威をふるって恐れられている鳥インフルエンザとは異なります。
ですからパニックになる必要はありません。あくまでも「両生類の病気」です。

ただし、この病気が世界中で問題になっている原因は、私たち人間の活動であることはほぼ間違いがありません。パニックにはならなくても、真剣に受け止めて考えて行かなくてはいけない問題です。

特に、関係するのは
  • カエルを飼育している方
  • 海外から生き物を輸入する方
  • 両生類を販売される方
  • 国内外を問わず両生類の生息地でフィールドワークをされる方
です。

概要

今回のニュースを、どなたにでもわかりやすいように簡単に言えば
海外で見つかった非常に恐ろしいカエルの病気が日本で見つかった。最悪の場合、日本の野生のカエルを含めた両生類に壊滅的なダメージを与えることになる
ということです。

その病気の名前は「カエルのツボカビ病」です。
この病気はカエルの皮膚にツボカビと呼ばれる真菌類(カビの仲間)の一種が寄生し、そのカエルを死に至らしめるものです。

もっとも古い記録では南アフリカの博物館に収蔵されていた、1938年のアフリカツメガエルの標本から見つかっています。しかし、これの記録は1998年にオーストラリアと中米のパナマで報告された世界初の感染事例から遡って調査された結果わかったことですので、世界中の研究者等が、この病気の存在を知ったのは1998年からと非常に新しいことです。

この病気が日本に侵入しないようにと関係者は祈っていました。しかし2006年11-12月に東京都内で個人で飼育していたカエル14匹が次々に死んでしまいました。遺体は麻布大学が検査をしたのですが、12月25日にツボカビ症と判断されたのです。

ツボカビ症の影響

カエルのツボカビ症の病原生物はBatrachochytrium dendrobatidis というツボカビの一種です。このカビがカエルの表皮に寄生すると、カエルは皮膚で行う水分の調整やさまざまな皮膚の機能に支障をきたし死に至ります。この時の致死率は90%以上ですから、何もしなければほぼ間違いなく死に至ります。

すでにオーストラリアや中米では野生の両生類に壊滅的な打撃を与えています。
特にパナマでは、たった2ヶ月間で全滅してしまった生息群があるという報告がされています。さらに1年間で25kmの速さで感染域が拡大しており、すでにパナマに生息しているカエルの全種類の71%にあたる48種に感染が確認されています。

万一、日本のように狭い国土に伝播してしまったら、国内に生息する野生のカエルたちにダメージを与え、特に生息域が限られている南西諸島のカエルや同じ両生類である止水性のサンショウウオたちが絶滅してしまうおそれもあります。
またツボカビは目に見えるものではありませんので、野外に出てしまったツボカビを駆除することは不可能です。

ですから、このような恐ろしい病気が日本で見つからないように祈っていたのですが、残念ながら今回のニュースで、日本国内にツボカビが侵入してきていることが明らかになってしまったわけです。

次に、とりあえず私たちが何に注意しなくてはいけないかをご紹介します。